過去ログ - ABE NANA Z〜アイカツの「F」〜
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28: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/04/10(金) 22:51:34.63 ID:N8MCYESO0
――*――*――*――



「ナナまた死ぬかと思いました……」

「まぁまぁ、なんとかライブが成功してよかったじゃないですか」

 ステージ裏に戻ってきた菜々はぐったりと椅子に座っていた。この6日間で二度目も死にかけるとは思っていなかった。
 今回も奇跡的にほぼ無傷だったようで、もはや菜々自身が実は強靭な肉体を持っているのではないかと考えてしまう。

 ライブが終わったフリーザは、エネルギーの消耗を押さえるためか、第一形態に戻っていた。

 尻尾に吹き飛ばされた後は、フリーザが高速で回収してくれたので、曲にもあまり遅れずにすんだ。
 むしろ、吹き飛ばされた直後に踊りを続行した自分自身を褒めたいくらいだった。

 菜々は、退場するときの観客の顔が忘れられない。あの「あの子大丈夫なの……?」と言わんばかりの表情。
 最後の拍手は、一体どれに向けての拍手だったのだろうかと考えた。

「と、とにかく……これでようやく一段落ですね……って、フリーザさんっ!!?」

 菜々が椅子から勢い良く立ち上がる。
 フリーザ自身は、菜々が何にそんなに驚いているのかを理解していない。
 フリーザを見ながら慌てふためく菜々。
 そして、ようやくその口を開いた。


「そ、そのっ、フリーザさん、か、か体消えていってますよ……?」


「……おや、もうそんな時間ですか……」

 脚の方から、徐々にだが、確実に体が消えていっている。
 ほんの少しだが、フリーザの体が光っていた。
 だが、当の本人は特に驚く様子もない。

「ちょっ、何を呑気な! うわ、これどうしたらいいんですかね!? とりあえず救急車ですかっ!?」

「落ち着いてください菜々さん。時間が来ただけなんですよ」

「時間が来たって……?」

「えぇ、私が、この世界にいられる時間です。そのタイムリミットが迫っているようです」

 突然の言葉に菜々は絶句する。タイムリミットとは一体何の話だと言いたいが、状況に頭がついていかず、言葉が出ない。

「そもそも私は、もともとこの宇宙に存在しないはずの存在なんですよ」


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