167:名無しNIPPER
2015/04/17(金) 19:45:51.00 ID:VouUcVWhO
そして、ツバサは、にこが受けた歓迎の数々を、指折り数えながら挙げていく。
練習着をカッターで切られた。
本番で足をかけられた。
靴のなかに画鋲なんかは日常茶飯事で。
靴を燃やされたこともあった。
ツバサが挙げていくそれを聞きながら、にこのなかでその最悪な思い出がフラッシュバックする。
にこ「っ……だ、黙りなさいよっ」
ツバサ「…………」
また、声をあげる。
と同時に、ツバサが静かになった。
だけど、ツバサが沈黙したのは、にこの声に従ったわけじゃあ、きっとない。
たぶん、自分が今から告げることを考えているんだと思う。
ツバサ「……ねぇ、にこさん」
ほら、やっぱり。
そして、ツバサはにこの目を見て、話し始める。
ツバサ「アイドルは打たれ強くないとって、言ったわよね?」
にこ「……えぇ」
ツバサの言葉に静かに頷く。
それを見たツバサは、残酷なほど魅力的な笑みを浮かべて言った。
ツバサ「じゃあ、やっぱり……」
ツバサ「貴女はアイドルに向いてないわ」
ツバサ「だって、貴女はこんなにも弱いじゃない」
――――――
ツバサを楽屋から追い出して。
それからのことは話したくない。
話してしまったら、ツバサの言ってることを証明してしまうことになるから。
――――――
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