過去ログ - 【ダンガンロンパ】ダンロンでほのぼのと薔薇薔薇する
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12: ◆AZbDPlV/MM[sage saga]
2015/04/18(土) 15:14:20.52 ID:x7eWngYe0
 対象は誰であれ、自分の隠したいことを打ち明けた時点で、充分不二咲は強いように思う。不二咲のように、性別を偽るような姿をとることを嫌う人間は、とことんそれを嫌い相手を攻撃する。それを覚悟してのことだろうし、問題はすでに解決しているのではないだろうか?
 いや、やっぱり知らない人間に打ち明けられても、学校でずっと過ごす人間に打ち明けるのとでは、かける勇気の度合いは違うか。

日向 「体力はともかく、心の強さはもう充分だと思うけどな」

不二咲 「え?」

日向 「後は決意する勇気だけだ」

不二咲 「そうかな…? でも、男らしくスパッと物事はきめれないし、怒鳴られちゃうと萎縮しちゃうし……」

日向 「……それはまた違うな。人間だから仕方ない程度じゃないか」

不二咲 「だ、ダメだよぉ! 僕は男らしくなりたいんだ!」

日向 「うーん…」

不二咲 「あ…僕ばっかり話してごめんね! 日向君の悩みって、どんな悩みなの?」

 はっとしたように不二咲は俺の悩みについて話を振る。

日向 「俺のは、話してどうにかできる悩みじゃないと思うんだけどな」

不二咲 「でも、僕の悩みも聴いてもらったから、力になりたいんだ!!」

 不二咲は力強くそう言ってくれる。でも、才能がないことが悩みだなんて言われても、残念だねで終わってしまうだろう。

不二咲 「日向君!」

 ……言わないと不二咲は納得してくれなさそうだな。

日向 「俺の悩みは…自分に才能がないことだ」

不二咲 「才能?」

 不二咲はきょとんとした。だから言ったのに。

不二咲 「才能かぁ…まだ解っていないだけで、僕は日向君にも才能はあると思うなぁ」

日向 「え?」

 顎に手を充てて小首を傾げながら、不二咲は真剣に考えていた。俺の才能、悩みについて。
 まさかのことに、今度は俺がきょとんとしてしまう。

不二咲 「才能って、見えるだけのモノじゃないから、日向君が気づいていないだけなんだよ! きっと!」

不二咲 「日向君が良ければだけど、僕が日向君の才能をみつける手助けをしたいな!!」

日向 「え? え?」

不二咲 「ご、ごめんなさい…迷惑だったよね……そもそも、僕なんかじゃ頼りなくって日向君の助けにならないよね……」

日向 「あ、いや…そうじゃなくて…驚いただけだ」

不二咲 「え?」

日向 「初対面の相手を真剣に手助けしようとしている不二咲に」

 不二咲は不思議そうにして首を傾げる。

不二咲 「困っていたら、助けたくならない?」

日向 「いや、そういう気持ちも解るけど……」

 映画館でも思ったけど、危なっかしいな。不二咲はかなり騙され易いんじゃないだろうか? お爺さんお婆さんが苦労話なりなんなりの嘘を語れば、ホイホイ金を出してしまいそうだ。
 なんだか、これだけ真っ直ぐな不二咲の気持ちを無下にするのは申し訳ない。

日向 「でも、具体的にどうするんだ?」

不二咲 「うーん……一緒に何かをたくさんしようよ!」

日向 「何かって、何をだ?」

不二咲 「スポーツをしてみたり、勉強してみたり、遊んでみたり…かな? 何かみつかるかも!」

不二咲 「だから、連絡先教えて欲しいな!」

日向 「解った」

 俺だけ不二咲に頼るワケにはいかない。俺も不二咲のために、何かしてやれればと、思いはじめた。


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