過去ログ - 【ダンガンロンパ】ダンロンでほのぼのと薔薇薔薇する
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11: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2015/04/18(土) 15:13:55.28 ID:x7eWngYe0
不二咲 「えっと…まずは自己紹介した方がいいかな?」

日向 「いや…まあ、キミがそれでいいならいいけど」

 その場限りだからこそ、話せない話を思いっきりできる…というメリットは確かにある。しかし、この日限りの人間に、自己紹介をして意味があるのか…まあ、名前が解らないよりは、解った方が悩みを相談するのだし、ある程度の距離は縮めたほう話し易くなるかも知れない……か?
 
不二咲 「不二咲 千尋ですぅ」

 不二咲は自信なさそうに名乗った。名前を言うだけなのに、なにをそんなに不安がる必要があるんだろうか? ん? でも不二咲 千尋…どこかで聞いた覚えがある気がする。

日向 「俺は日向 創だ」

不二咲 「日向君だね。……えっと……あのね?」

 不二咲は手先を落ち着きなく組んだり離したりして、上目で俺を見ながら言い難そうにしながら口を開いた。

不二咲「歳はキミと変わらないと思うんだぁ」

日向 「え…?」

 俺と同じくらい? 俺高校生だけど…?

日向 「小学校高学年くらいだと思ってたんだけど」

不二咲 「やっぱり……これでも高校生だよ。映画館で小さい……女の子って言われたから、勘違いされてるんだと思って…」

日向 「嫌な思いさせてごめん!!」

不二咲 「ううん……背丈は仕方ないもん…ただ、それとは別に、僕が君を勘違いさせてるのがいけないんだ」

 そういえば、映画館でも“僕が悪い”って言っていたな。どういうことだろうか?

不二咲 「……まず、僕が趣味でこうしているんじゃないってことを念頭において欲しいんだ」

日向 「? 解ったよ」

 不二咲は小刻みに体を震わせている。何か怖がっている? そして不二咲は一度固く目を閉じて、その恐怖を払うように顔を上げた。

不二咲 「僕、男なんだ!」

日向 「……え?」

 男…って言ったか?

日向 「ええっと……」

不二咲 「だから、日向君に“女の子”だって勘違いさせちゃって、ごめんなさい」

不二咲 「それに…驚いたよね? でも、こんな機会でもないと、僕のしていることが他人からみたらどう思われているのか知れないから」

不二咲 「日向君は、どう思う? 男が女の格好して過ごしてるのって」

日向 「えっと…え?」

 華奢で人形のように可愛らしい不二咲が男……?
 どうしても疑ってしまうが、不二咲の目は真剣だ。ここで“まさか!”なんて笑ったりしたら、真実だった場合不二咲は間違いなく傷つくだろう。不二咲がからかっていたとしても、それはそれでいい。信じてやる方がいいに決まっている。

日向 「男が女の格好して過ごす、か」

 不二咲は趣味でこの姿をしているワケではないと言っていた。別に趣味なら趣味でも構わないとは…思うけどな。他人に迷惑になるようなことをしていなければ。
 でも、どうしても否定的な見方をする人間は一定数いる。だから、俺ひとりの意見で不二咲の否定されることの恐怖心は拭えないだろう。

日向 「俺はだけど、特に否定も拒否もすることはないな。好きでやっているなら、それはそれてま構わないんじゃないかと思う。 不二咲は好きでしているのとは違うみたいだけど」

 不二咲の場合は趣味ではなく、理由があるようだ。けど、その理由はどんなモノなんだろうか?

不二咲 「……僕、体があまり強くなくて、運動も全然できなくて」

不二咲 「弱いことが嫌なクセに、どんどん逃げることを考えちゃって、最終的に女の子になっちゃえばいいんだって思って……」

日向 「それで、その姿をとるようになったんだな」

不二咲 「うん……でも最近、逃げることより立ち向かわなきゃって、考え方が変わったんだ!」

日向 「なるほどな。初対面の俺に打ち明けることで足掛かりにしようってことか」

不二咲 「利用してごめんなさい……」

日向 「いや、構わないよ」

日向 「とにかく、不二咲は弱い自分を変えたいっていうのが悩みなんだな」

不二咲 「うん…心も体も強くなって、最終的にはクラスのみんなに打ち明けることなんだ」


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