2: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/04/13(月) 18:22:34.34 ID:kueoVPxH0
最終決戦を繰り広げる両者の間に割って入ったのは、女の声。
2人はその声に驚き、戦いを止め振り返る。
「そうだ、そのまま両者争いをやめろ。ろくなことにならんぞ」
するといつの間にか、すぐ側に妖艶な女が立っていた。
勇者と魔王が驚くのも無理はない。
この実力者2人をもってしても、この女が部屋に足を踏み入れたことに、声をかけられるまで気がつかなかったのだから。
魔王「何者だ、貴様は」
魔女「魔女――と呼ばれている」
魔王「魔女だと!?」
魔王の威圧的な声にも、魔女はその芸術品のように整った顔を歪ませることはなかった。
グラマラスな肉体を惜しみなく露出させた衣装は一見娼婦を連想させるが、彼女自身から溢れる強気と自信が妖艶さを上回っていた。
勇者「今は最終決戦の時なんだ、邪魔しないでくれ」
魔女「先に私の邪魔をしたのはお前達だ」フゥ
魔王「何…?」
魔女「お前達のように力の大きな者同士が争うと、世界に流れる「気」が乱れるんだよ。そうするとだな――」
そして女は予告なく、いつの間にかその手に貯めていた力を放った――
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