過去ログ - アストルフォ「ボクがジークを幸せにするんだ!」
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31: ◆BAKEWEHPok[saga]
2015/05/20(水) 03:26:14.70 ID:Jl2zNKDro
「どっちかと言うとアサシンのほうが怖かったね」
「呪詛でも残していそうだな。君には効かないだろうが」
「だねぇ。…………自分でやってなんだけどちょっと可哀想だったかも」
「シロウがか?」
「そおそお」

歩きながらジークはシロウの事を思う。
人間に絶望して救いを聖杯に賭けて六十年を生きた魔人。
方法はどうあれその想いだけは間違っていないだろう。

しかし。

「どう考えても言える言葉は…………ざまあみろだ」
「だよね! ボクたち気が合うね!」

今ではお互いの気持ちを確かめる材料でしかなくて、アストルフォは背伸びして抱きしめながらジークの頬へキスをした。

「待ちなさい」

いや、正確に言えばキスしようとしてがしりと頭を白い手に掴まれた。

「あれ? いたのジャンヌ?」
「いましたよ! 貴方達が先に行って置いてけぼりにしたんです!」

当然ながら、戦いで生き延びたのはジークとアストルフォだけではなくジャンヌもいた。
特攻宝具でシロウと刺し違える直前だったので、ある意味シロウよりも呆然としたままだった。
聖杯大戦が終わり、役目を終えたルーラーことジャンヌが現界している理由は簡単なこと。
レティシアが今でもジャンヌを受け入れているからだ。

最初は役目を終えたジャンヌは消えようとしていたが、ジークとアストルフォと
他ならないレティシアの呼びかけに応え、現界の道を選んだ。
聖杯の加護は消えているし、レティシアにも魔力は殆ど無いのだが
ユグドミレニアの降霊術の力とジークの魔力を借りて意思と魂が宿っている。

「はぁ……ジークさんもアストルフォさんも脚が速いです」

むっとしていたジャンヌの顔が穏やかな表情に切り替わる。
表層にレティシアが現れると様子が違っている。

「すまないアストルフォに釣られてしまった」
「ごめんねジークといるとテンション上がっちゃってさー」
「私には無視でもされたかのように感じましたが。というかいたのとか聞いてましたよね」
「ボクって前しか見えなくなっちゃうんだよねー」

冷たい返事はジャンヌのもの。
雰囲気がコロコロと変わっているが慣れているのかジークとアストルフォにはすぐ区別がつくよう。
こうして四人が朝から出歩いているのが何故か言うと旅というよりは旅行の真っ最中だった。
アストルフォが世界を見ようと宣言してから、ひとまずルーマニアからフランスまで観光がてら回っている。
早朝なのは少しばかりジークと仲を深めようと抜け駆けしたがるアストルフォがジャンヌに捕まったからだった。

「貴方達が仲がいいのはわかりました! けれど朝方からはやめてください」
「だってさー昨日いちゃいちゃできなかったんだよねぇ」
「ほっといたら貴方達はいつもじゃないですか!」

具体的な内容をジャンヌは言えていない。
ちょっとばかりくんずほぐれつしているアレな行為は聖乙女には刺激が強すぎる。


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