19:チビ、デブ、ハゲ[saga]
2015/04/15(水) 22:49:32.31 ID:0Yqyui5Eo
髪が抜けるような副作用、もしや癌か、と考えてしまうのは自然の流れだったが、彼女は苦笑しながら「違いますよ」と言った。
「そんな死ぬような病気じゃないです。でも、もうずっとこのままです」
死ぬような病気じゃないと聞いて胸を撫で下ろしている僕に、彼女は、「どうですか」と短く尋ねた。
20:チビ、デブ、ハゲ[saga]
2015/04/15(水) 22:50:16.43 ID:0Yqyui5Eo
さて、どうですかとは、きっと、いや間違いなくその容姿についてだろう。
なんと答えたものかと迷ったが、とりあえず持ち前の素直さを発揮することにした。
ええと、前は白磁の壺ような肌だったけど、今は弥生土器、いや肌が荒れてるから例えるなら縄文土器のような肌だね。
21:チビ、デブ、ハゲ[saga]
2015/04/15(水) 22:51:13.98 ID:0Yqyui5Eo
その後、しばらくして夏休みとなり、僕は足しげく彼女の家にお見舞いに通った。
少しの間は元気が無かったが、やがてすっかり良くなったようで、今ではお見舞いというより単に遊びに行っているようなものだった。
他愛の無い話をしていると、11時をまわり、彼女は昼食の準備を手伝うと言って立ち上がった。
22:チビ、デブ、ハゲ[saga]
2015/04/15(水) 22:51:42.31 ID:0Yqyui5Eo
あるとき、もう生えないんじゃなかったっけ、と尋ねてみたところ、恥ずかしそうに彼女は答えた。
「私って美人じゃないですか」
そう言いきれる彼女に嫌味を感じないのは、きっと彼女の徳のなせる業だろう。
23:チビ、デブ、ハゲ[saga]
2015/04/15(水) 22:52:33.52 ID:0Yqyui5Eo
彼女の肌も白磁の壺寄りの弥生土器くらいまでに戻っていた。
髪の毛と同じで、こちらも薬の効果が切れて元に戻り始めているらしい。
夏休みの間に治るようにお医者さんと相談しながら薬の服用時期を決めていたんだそうだ。
24:名無しNIPPER[sage]
2015/04/16(木) 00:15:54.46 ID:IN0vB0WAO
これはイケメン
安価を上手く纏めたなぁ
乙!
25:名無しNIPPER[sage]
2015/04/16(木) 08:52:50.18 ID:gagFCT1fo
乙
立て逃げかと思ったらマトモなSSが出てくるとは思わなかった
感動した
26:名無しNIPPER
2015/04/16(木) 09:13:52.31 ID:coh4gFDUO
遅くなりましたが見てくれた人がいて良かったです。
以前書いたときもセルジオ越後とかマウンダー極小期なんかがお題になりましたが、自分じゃ思い付かないような題材で書けるんで楽しいですね。
またお題を募集すると思うんでその時はお願いします。
27:名無しNIPPER[sage]
2015/04/16(木) 09:17:44.28 ID:gagFCT1fo
改めて乙
28:名無しNIPPER[sage]
2015/04/16(木) 09:36:58.08 ID:JwlX6xeKO
おつ
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