20: ◆XmxU5oRmnc
2015/04/16(木) 16:32:04.80 ID:dpPJnMuC0
アイドル。
それは私にとっての憧れだ。いつも明るくて楽しそうで。そんな姿を、昔から見ていた。
――私は、違うけれど。
私は違う。アイドルとは違う。彼女たちとは違う。
芸能界の華やかでない部分を知って。演技することを知って。
私は、そうなっちゃ、いけないんだ、って。そう思って。
……アイドルである彼女たちが、どうして、あんなに明るくて楽しそうなのか。今までわからなかったけれど、少し、わかったかもしれない。
今のマネージャーさんがダメだとは言わない。私は彼女に救われている。
でも、アイドル部のプロデューサー。あの人は、何か、違う。
そして、あの人みたいな人がプロデューサーだから、アイドルも明るくて楽しそうなんだ。
――そう言えば、結局、彼の答えは聞けなかった。
彼は、何と答えるつもりだったんだろう。
彼は、何と答えたんだろう。
彼なら、何て言ってくれたんだろう。
そんなことを思いながら、私は目蓋を閉じる。
――また、会う日があれば、聞いてみよう。
そんなことを思いながら、十数分間の眠りに落ちる。
次の仕事に、備えるために。
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