過去ログ - 恭子「宮永を監禁してもうた……」
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176:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 18:36:55.91 ID:5ACXQpKo0
家の玄関を開けると、つんと埃の匂いが立ち込める。

留守電には部内の皆、とりわけ和からのメッセージが山ほど入れられていた。
心配してくれていたのだろう。
早く返事を返さなくてはとは思うものの、今は誰かと会話する気にはなれなかった。

咲はベッドへと横たわる。久しぶりの自分の布団。
この上で眠っていたのが嘘のように違和感を感じた。

折角帰ってきた家なのに・・・

咲(全然嬉しくないなんて……)

こんなにも心が空虚なのは何故なのか。
咲は自分で自分の心を計りかねていた。

恭子と過ごしてきたこの2週間。
咲にとって決して嫌なものではなかったのだ。

何時でも自分を大切にしてくれる存在が
身近にいる安心感。

最初の方こそ「逃げ出したい」なんて思ってはいたものの、
いつしか恭子の帰る時間が待ち遠しくなっていた。
玄関の開く、あの瞬間を。

咲(私は待ってたんだ……)

静かに目を開くと、星の瞬く夜空がカーテンの開いた窓から見える。
見慣れていた筈の景色なのに・・・落ち着かない。
大体自分の部屋の景色なんて、そんなにまじまじと見たことがあるはずない。

恭子の部屋にいた時は、他にすることもなかったから。

待っている間中、外の景色を眺めたり。
ぼーっと部屋の中を眺めたりしていた自分。

今となってはあの部屋が恋しいような気さえしてくる。

咲(でも、もうどうでもいい……やっと解放されたんだ……)



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