過去ログ - 【Fate】カルナ「安価で聖杯戦争―――是非もなし」 -SS速報VIP

過去ログ - 【Fate】カルナ「安価で聖杯戦争―――是非もなし」

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240: ◆.thx41UQwK3a[saga]
2015/05/02(土) 14:44:23.08 ID:sVR3ezyOo

「三画の令呪を重ねて命じる！カルナ、その神殺しの槍を以て聖杯に宿る悪神だけを貫け―――！！！」

声が枯れるほどに強く強く叫ぶ。手の甲の痣が強く光を瞬かせ、身体に巡る熱をありったけ吸い取って、次の瞬間には何もなかったかのように消えた。
確かに放たれた、指向性を帯びた魔力の塊は、私の手からカルナの元に乗り移った。瞬間、彼から魔力の奔流が迸る。

熱く激しい、彼の気性とは真逆の激情的な炎熱がジリジリと肌を打つ。しかし、肌が爛れることはない優しい温度。
寧ろ冬の寒さと、絶望に凍えたこの身には暖かいとさえ感じられる。

「ああ―――その傲慢、強欲……確かに聞き届けた。アンリマユ―――この世全ての悪よ、活目せよ」
冷たく低く、彼は続けた。極上の拵えをした紅蓮のマントが熱によって、徐々に溶け出す。
緩やかに侵食する焦げは、随時槍の穂先から奔る熱に呑み込まれていく。絶対的な守護性を見せつけた鎧を対価に、神殺しの一撃必殺が練り上げられていく。

「絶望の神よ、絶滅を知る時が来た。それがこの一刺―――」
突如として橙色の光を放つ槍が、弾けた。そしてその代わりに、太陽の如き熱気と眼が眩むような輝きを放つ、一本の大槍が彼の手元へ顕現する。
それが握られると共に奔流は一層強まり、ただ立っていることさえ辛くなる。そのまま、彼を中心に放たれる熱風に呑み込められて吹き飛ばされそうだ。

それでも、彼の所業を見納めるために近くにあった柱を支えとして、倒れることを堪える。

　　　　　　　　　　　　　ｳﾞｧｻｳﾞｨ・ｼｬｸﾃｨ
「―――焼き尽くせ、日輪よ、死に随え！！」
絶対者を殺す絶対の一撃が、今放たれた。
私はこの光景を、決して忘れることがないように終始瞼を開くことに専念する―――

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