過去ログ - インデックス「――――――あなたと、私」
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11:名無しNIPPER[saga]
2015/04/20(月) 00:08:48.92 ID:YJZuZ5vJ0
「……そう。でも、でも……」

インデックスは目を伏せる。
絵画はまだまだ無数にあって、とても全てを見ることなど不可能だった。

五枚目は電気椅子とその前に並ぶ何人もの人間の絵。
記されたタイトルは『アイヒマン実験』。

六枚目は多人数の人間が手を取っている中、一人だけ子供が混ざっている絵。
記されたタイトルは『貫く』。

七枚目は不自然な作り笑いを浮かべている絵。
記されたタイトルは『演技による自己的な保護的措置』。

八枚目は火炙りにされている女とそれを見つめる同一人物の女。
記されたタイトルは『不死鳥』。

九枚目は人間の体が幾重にも幾重にも積み上げられ天にも届くほどの塔となっている絵。
記されたタイトルは『忘却の果て』。

十枚目は本を読んでいるだけの絵。
記されたタイトルは『本に読まれる』。

それらを眺めたインデックスは何も言葉を口にすることができなかった。
ただ、ふと気付いた。大量に飾られた絵画群とは明らかに切り離された絵が二枚だけあった。
周囲にはその二枚以外の絵画は一切ない。

一つは見覚えのある制服を着た、目も鼻も口もない少女の絵。
記されたタイトルは『侵略者たるなにものかの自己喪失』。

そしてもう一つは、二人の人間が……?
絵について分かったのはそれだけだった。
ぐじゅり、と絵画の中心に煙草を押し付けたかのような大きな穴が開き、そこからどす黒い液体のようなものが流れ出してきた。


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