過去ログ - 【ゆるゆり】千鶴「もうちょっと,仲良くなってみたい」
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2:名無しNIPPER[saga]
2015/04/22(水) 22:54:07.52 ID:BO+93g0W0
ほんのりとオレンジ色に染まった空をゆっくりと雲が流れていく。ちょっと息苦しい学校で見つけた私のお気に入りの場所。
運動部の掛け声,合唱部の歌声はしゃらしゃらと木々が風に揺れる音と重なって心地いいBGMになる。
誰にも邪魔されず,ゆっくりと時が流れるこの場所は私の特等席だ。

屋上は本来立ち入り禁止だけれど,姉さんの生徒会の手伝いで生徒会を掃除していた時,偶然屋上の鍵を見つけた。
以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2015/04/22(水) 22:55:38.10 ID:BO+93g0W0
「あれ?千鶴さん?」

下を見下ろすと船見さんが立っていた。

「あ,船見さん」
以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2015/04/22(水) 22:56:56.27 ID:BO+93g0W0
「いいけど」

船見さんは梯子を登って搭屋の上に来ると私の隣に腰を下ろした。

「いい眺めだね,ここ。初めて来た」
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2015/04/22(水) 22:57:39.49 ID:BO+93g0W0
「あはは,京子はいつもこんな感じだから,もう慣れたよ。確かにあいつは自己中でワガママで,大変だけどね」

「疲れない?」

「まぁ,疲れるけど……でも,嫌いじゃないかな,そういうのも」
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2015/04/22(水) 22:58:59.90 ID:BO+93g0W0
「そうなんだ」

「うん。京子へのツッコミばっかりやってると疲れるけども,なんだかんだで私も楽しいかな」

「なるほど……なんとなくアイツに友達が多いのわかる気がする。なんかムカツクけど」
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2015/04/22(水) 23:00:29.45 ID:BO+93g0W0

「歳納って昔からあんな風なの?」

「いや,昔は違ったよ。今と逆で引っ込み思案で泣き虫で,私の後ろをついて歩いているような,そんなおとなしい性格だったよ」

以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/04/22(水) 23:02:22.54 ID:BO+93g0W0
「ごめんね,話しすぎちゃって」

私がいろいろと考え込んで黙っていたら船見さんが申し訳なさそうに謝った。ちょっと悪いことしちゃったな。

「大丈夫。船見さんって今日が誕生日なんだっけ?」
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/04/22(水) 23:04:25.26 ID:BO+93g0W0
「そうかな?千鶴さんの方が大人っぽいイメージがあるから。」

「違うと思う……大人っぽいふりをしてるだけかも」

友達つくって仲良く遊んだりしたいけど,自分から踏み出す勇気が無くて一人が好きなふりをしている。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/04/22(水) 23:05:31.84 ID:BO+93g0W0

「そういえば屋上って立ち入り禁止じゃなかったっけ?前は鍵がかかってた気がするけど,最近はかかってないの?」

「実は……」

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2015/04/22(水) 23:08:24.54 ID:BO+93g0W0
「なんか千鶴さんと話してると落ち着くな。普段騒がしすぎるせいかもしれないけど」

「私も,こういうの嫌いじゃない」

「今日はありがと。私,そろそろ行くね」
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/04/22(水) 23:09:13.94 ID:BO+93g0W0
の中から本を取り出し,挟んでいた栞を抜いた。白いツツジがデザインされた金属製の栞。

「はい,誕生日おめでとう。こんなものしかなくてゴメンけど」

「ありがとう。また,ここに来てもいい?」
以下略



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