過去ログ - やはりわたしの青春ラブコメはまちがっている。
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26: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:16:26.66 ID:+4eN97YB0
「……さんきゅ」
「あはっ、いーえっ!」

 必死に自分がどれだけわたしのことを鬱陶しいと思っているか態度で伝えようとしてくる。
 が、それもつい最近の祝い事を話題にされては上手くいかないらしく、こほんと咳払いをして本を閉じた。

「小町にもメールしてくれたんだろ? ありがとな、喜んでた」

 まるで自分のことのように照れ臭そうにしている先輩に微笑する。

「いやー、もう、本当にシスコンですねー。妬けちゃうなぁ、ちら」
「ちら、とか言うな。あざとい」

 上目遣いでの強襲はやはりいつも通りにあえなく失敗に終わる。
 机に上半身を乗せ、むすーっと口をへの字に曲げて見せてもその結果は変わらないどころか、むしろ先輩の頬は引き攣っていた。

「お前……日に日にあざとさに磨きがかかってないか……?」

 そんな褒められてるとも貶してるとも分からない言葉を吐く。
 なんとかして仕返し出来ないものかと視線をスライドさせると一つのカップが目に留まった。

「もーらいっ」
「あっ」

 一瞬の逡巡ののちにひょいっとカップを持ち上げる。
 そのままカップに口をつけ、こくりと一口だけ喉を通す。
 きっと、今のわたしは相当に意地悪な顔をしているだろうな。
 にやにやと先輩の反応を伺うと、予想通り顔を赤くしていて、思わず心の中でガッツポーズをしてしまう。

「はい、ありがとうございましたー」



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