18:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:48:04.32 ID:eM9XkrPr0
翌日、曙は普通に回復していた。その早さには、医師も驚いていた。
艦娘の生命力に、私は少し、誇らしく思った。
医務室へ曙の見舞いに行くと、曙はボーっと、窓の外を見ていた。
「……曙、体調はどうだ?」
曙はふいに現れた私に身を強張らせ、「大丈夫」と小声で答えた。あまりそうとは思えない。
「……私、あまり怪我した時のこと覚えていなくて……」
「それくらい、辛かったんだろう。私の責任だ、申し訳ない」
「い、いや……別に……」
普段の曙は、私の顔を見るなり顔をしかめ「クソ提督」と罵る問題児だった。
捻くれた性格なのは前々から聞いていたし、私自身もさほど気にしていない。
しかし、普段から活発な子が急におとなしくなると、異常に心配になるものだ。それが大怪我のあとであれば、なおさら。
「……本当に大丈夫なのか? 元気がないようだが」
私は再度、しつこく尋ねる。それで余計に嫌われても良い。しかし、今の曙は、明らかにおかしい。
漂う沈黙の中、曙の声が、響く。
「私、昔の夢を見ていたの――」
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