過去ログ - お題ください、ショートショートします
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マッチョ、メガネ、ビッグバン
[saga]
2015/04/30(木) 00:22:57.91 ID:FqSE0XcJ0
遺伝かはたまた別の要因なのか、千年前あれ程男子の象徴だった筋肉は、今では蔑みの的だった。
「ぼ、僕だって、……痩せたいし、お洒落な服着てみたいし、……でも、体質で、仕方なくって」
「ねぇマッチョが何か言ってる〜」
「マジ受けるんですけどォ」
「ぼ、僕は……」
歯向かうことなどできようか。
ここで歯向かって、万が一男子にあらざる強靭な力で相手を倒してしまえば、その事さえ揶揄の対象となり得るのだ。
彼は自分がマッチョに生まれた事を憎みながら、唇を噛んでじっと耐え忍ぶしかないのだった。
自身の中の牙に怯えながら。
「あー面白かった。こんなマッチョほっといてさっさと帰ろうよ」
「そうだねー。 あ、マック寄っていこうよ」
「賛成〜!」
男のくせに。
イジメてくる彼女らよりも、自身の鋼の様な筋肉が疎ましかった。
視界も滲む。
「何で僕だけこんなマッチョなんだ……う、うう……好きでマッチョに、生まれた訳じゃない、のに……」
「どうしたの?」
「!」
泣いていると声がした。
見上げると知った顔。
彼女はクラス委員をやっていた。
皆に慕われながらも真面目で、マッチョを気にせず話しかけてくれる数少ない女子だった。
「ねぇ、これで涙拭きなよ?」
ハンカチを差し出す彼女が、彼は好きだった。
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