過去ログ - 前川みく「みくは自分を曲げないもん!」
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13:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 06:10:36.64 ID:Q4mOaklu0
「・・・・・・こういうわけです」

口数も少なく、みくはここ一週間の出来事を余すこと無く全てプロデューサーに打ち明けた。
あんな心の根っこの話を聞かされて自分だけ何も言わないなんてさすがにアンフェア、不誠実すぎると思ったのだ。
しかしただ感情のままに衝突した一部始終を極めて理知的な大人に説明しなければならないなんてとんでもない拷問であるとみくは思い知らされる。

「そうですか。わかりました。あの」

「あああああああああ言わなくていいの! わかってるから! わかってるから!」

そう、今回の件は自分が悪い、どこかでそれを認めなくてはならなかったのに変に折り合いがつかずにズルズルズルズル引きずって終いには人に当たって挙句年上の男に全力で土下座せんばかりに謝らせて自分は何をしているのだ!
自己嫌悪に苛まれるを通り越して完全に半身蝕まれている前川みくであった。

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”」

「ま、前川さん?」

「ん”に”ゃ”ぁ”ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

シートから勢い良く立ち上がり、そのままの勢いで天井に頭をぶつけ、悶絶する。
恥ずかしすぎて顔から火が出るを体現しているとみくは感じた。恥ずかしすぎてプロデューサーの顔もろくに見れない。
「Pちゃん〜」

「はい、なんでしょう」

「謝りに行くの、ついてきてくれる?」

「――もちろんです」

笑っていた。まだ恥ずかしくて顔は上げれないけどその時のプロデューサーは確かに笑っていた。みくはそう思った。

ぶつかっていくことで、分かり合えるならそれでもいいのではないだろうか。
例えその道がお城へ1番遠回りでも、しっかりと道を先導してくれる魔法使いがいれば、舞踏会へは辿り着けるのではないだろうか。
プロデューサーはけして自分を魔法使いだとは言わなかった。


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