過去ログ - 扶桑「私たちに、沈めとおっしゃるのですか?」 提督「そうだ」
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175: ◆bBUdJHUgklsz[saga]
2015/08/08(土) 23:12:11.19 ID:3Sf6fHgI0
 

自分はどうかしていたのではないか、と今更になって思ってしまう。
 あんな、一時の感情の昂ぶりに身を任せてしまったのではないか。
 姉の言葉に、誇りなどという言葉に勝手に心奪われ、自ら地獄へと足を踏み入れた。
 自分に酔っていたのか、過酷な囮役まで引き受けて。
 
「不幸、だわ……」
「そうね……不幸、よね」
 
 肩を貸す扶桑も同じように呟く。
 忘れていた。自分たちが何と呼ばれて揶揄されてきたのかを。
 馬鹿にされてきた欠陥戦艦が、粋がったところでできることは限られている。
それさえ忘れて、身の程を弁えずに。活躍できると、勝つことができると夢を見た。

 だが所詮、できるのはみっともなく逃げ惑い時間を稼ぐことだけだ。
 だからこそ、この戦に出撃してしまったことを恨んでしまう。
 張りぼての気勢で囮役を担ったところで、所詮は張りぼてでしかない。

 扶桑の心に触発され、自分も強くなれると思った。
たかだか、そんな短期間で変われるはずもないのに。
 愚かな夢を見た。見てしまった。
 強くなりたい、姉と同じ土俵に立ちたいと、願った。






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