過去ログ - 扶桑「私たちに、沈めとおっしゃるのですか?」 提督「そうだ」
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207: ◆bBUdJHUgklsz[saga]
2015/08/16(日) 01:50:03.34 ID:7XiZAjkt0

 ――それでも……


 フラフラと重い体を起こす。
 標準もままならない状態で、主砲を放つ。
 が、当然のように砲弾はまるで見当違いの方角へと飛んでいく。
 そればかりか、砲撃の衝撃に尻餅をついてしまう。
 その間抜けな姿に、深海棲艦は見世物を楽しむように笑いを上げたような気がした。


 ――それでも、私は、あなたが、羨ましかった


 提督自身も、困難な夢だと思っているだろう。
 ほぼ不可能な、ただの理想だと気付いているのかもしれない。

 それでも、諦めはしていない。
 本気で、その夢の実現に向けて努力を続けていた。
 内心、いつ諦めるのだろうか、と眺めていたこともある。
 それでも、その眼は輝きを失うことはない。
 敗北を重ね、そして幾度となく勝利をえ、それでもなお届かないその理想に。
 立ちはだかる現実の高い壁に、挫けることはなかった。


――屈託のない笑顔で、高らかに理想を掲げることができるあなたが……

 
 笑えるくらい馬鹿馬鹿しい夢を、なんの疑いもなく語るあなたが。
 とても、眩しく見えた。輝いているように見えた。

 立ち上がろうと、腕を立てる、その上から追撃の砲弾、爆発。
 再び、海面に押し付けられ、艤装も半分ほどバラバラに吹き飛ぶ。





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