過去ログ - 扶桑「私たちに、沈めとおっしゃるのですか?」 提督「そうだ」
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36: ◆bBUdJHUgklsz[saga]
2015/05/07(木) 20:41:45.89 ID:IMm/5xos0
「少しでも、多くの可能性を考えていれば、こんなことにはならなかった」
「それは提督の責任ではありません」
「だが、気付けていれば、君たちを……」

 その先の言葉が、紡げなかった。
 自分が立案した作戦だ。わざわざ言うべきではないし、どの口が言えるというのだろうか。
 いや、そんなことを言い出すなら、謝ることすらおこがましいことではないか。
 自分で死地に追いやるくせに、本人の前で謝罪など。罵声の1つや2つで済むような話ではない。

 扶桑と山城は大切な人だ。何もわからない自分を、ここまで成長させてくれたのはほかならない、この2人だ。
 艦娘たちに対しては、皆平等に扱っているつもりだ。艦隊の編成も、だからこそ実力主義で組むこともできたし、鎮守府の規模も国内有数のものとなったのだ。
 平等であるがゆえに、扶桑と山城の出撃頻度も減らした。理由も二人にはきちんと説明した。
 山城は怒り、扶桑とともに宥めるのに苦労したが。とはいえ、扶桑の悲しそうな顔は片時も忘れたこともなかった。そして、扶桑の言葉も。

「提督の、お考えのことですから……」

 扶桑は知っていた。
 提督が、誰よりも強くこの鎮守府を愛してくれていることを。すべての艦娘を強く愛していることを。 
 そして、誰よりも、この海を、この国を、愛しているということを。
 



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