過去ログ - 扶桑「私たちに、沈めとおっしゃるのですか?」 提督「そうだ」
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72: ◆bBUdJHUgklsz[saga]
2015/05/21(木) 00:09:40.42 ID:3C1qg5lr0
 それだけで、その言葉だけで、満潮は救われたのだ。
 自分の全てを受け入れて、認めてくれる人。
 そして、自分を褒めてくれる人。
 
 他を顧みず行動してきた満潮にとって、その一言が強く胸を打った。
 私は、何のためにこんなに頑張ってきたのか。

 武勲を上げたいから。確かにそれもあるだろう。
 だが、求めていたものはもっと簡単だった。

 誰かに、褒めてほしかったのだ。

 よくやったな、と。偉いぞ、と。その一言が欲しかっただけなのだ。
 その時初めて満潮は、人前で涙を流し、咽び泣いた。
 
 扶桑にとって、満潮を救いたい、などという高尚な思いなど無かったのだろう。
 だからこそ、満潮は嬉しかったのだ。見返りも何も求めず、ただ、自然に接してくれたことに。

 救われたのだ。だからこそ、いつか扶桑が困っているときには自分が……。
 そう思っていたのに。

「私は……結局何もできないのっ……?」
「満潮……」

 膝から崩れ落ちた満潮の肩に、最上が手を添える。
 歯痒さも、悔しさも。皆が同じ思いを共有している。
 みんなが大好きな扶桑と山城を、助けることもできないことを。
 何かしたい、何か力になりたい。その思いだけが強くなっていってしまう。
 そして理想だけが大きくなり、何も出来ない現実を見てしまうと絶望しか浮かんでこない。




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