過去ログ - 扶桑「私たちに、沈めとおっしゃるのですか?」 提督「そうだ」
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73: ◆bBUdJHUgklsz[saga]
2015/05/21(木) 00:11:07.99 ID:3C1qg5lr0


「まだ何も出来ていないのにっ。何一つ返せていないのにっ!」

 感謝の言葉も、恩返しも、誓い合った夢も。
 何一つ、出来ていない。叶えることもできていない。
 語り合った夢も、それを叶えようと皆で笑い合ったことも。
 何もかもが突然の終焉を告げられた。それを、どうして受け入れることができるだろうか。


「お願い、です、提督。扶桑たちを、行かせないで……」
「……」


 見る人によっては、哀れな姿かもしれない。 
 号泣しながら、懇願するさまは、駄々をこねる子供そのものだ。


「わた、しっ。もっと、素直になるからっ。いい子、にぃっ、する、からぁっ」


 到底聞き入れてくれるものではないことなど重々承知している。
 しかし、言葉が止まらない。胸に詰まった思いが全部、直接音になって飛び出ている。

 
「だからっ、だか、らぁっ!」


 それを止めることなどできない。そんな方法、誰も知らない。
 時雨も、最上も。そして、提督も。その悲痛の叫びに、皆、痛々しく表情を歪めることしかできなかった。



「……ありがとう、満潮」
「っ!?」



 いつも聞いていた優しい声音が、皆の耳に届いた。






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