過去ログ - 二宮飛鳥「空の月に手を伸ばして」
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7: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:56:39.81 ID:1o/Q5QXBo
ヒラ…
飛鳥「……ん?
桜の花びら……? もう五月も半ばだというの……に……」
8: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:57:35.40 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥(あれだけ鮮やかに咲き誇っていた桜の花はいつの間にか綺麗さっぱり消えており、
残っているのは青々と生い茂る葉っぱだけ)
飛鳥(……今のは、白昼夢……だったのだろうか。
夜に見るそれを白昼夢と呼ぶのが適切かどうかは、知らないけれど)
9: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:58:35.79 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「もう半分は……何というか。
仕事先でちょっと、本当に些細な事が原因でなつきちと喧嘩しちゃってさ。
それで憂さ晴らしに歌ってたって訳」
飛鳥「へえ……」
10: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:00:41.94 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「うーん。さすがにそんな事はないと思うけど……
あ、そうだ。飛鳥ちゃん。どうせならもう一曲聴いていかない?
実はもう一つ、練習してる歌があってさ」
飛鳥「勿論。むしろ、こちらからお願いしたいくらいだよ」
11: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:01:37.33 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥(……小林亜梨子の歌声が母の慈愛だとすれば、
李衣菜さんの歌声は、隣人に対する親愛……だろうか。
誰かの隣に寄り添い、支え、励ましてくれる……そんな歌声──)
李衣菜「────」
12: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:02:35.20 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥(──ああ、桜が。
季節外れの、桜が、咲いて──)
飛鳥(桜だけじゃない。この広場にある草木全てが、
彼女の歌に呼応して、その生命を奮い立たせている──)
13: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:46:49.00 ID:1o/Q5QXBo
◆
「……おはよう、────。」
「今日ね、あたし、夢を見たのよ」
14: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:47:37.17 ID:1o/Q5QXBo
◆
飛鳥「……知らない天井……ではない、か」
飛鳥「ここは……事務所の医務室?」
15: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:58:14.90 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「あ、飛鳥ちゃん。目ぇ覚めた?」ヒョコッ
飛鳥「あ……李衣菜さん」
李衣菜「気分は大丈夫? どこか痛い所はない?」
16: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:59:30.66 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥「……ふむ。どうやら、キミには本当に心配と、手間を掛けさせてしまったらしいね……
ありがとう。そして、ごめんなさい。……この御礼は、いつか必ずさせて貰うよ」
李衣菜「別に気にしなくていいって。
後輩が困ってたら助けるのは、先輩の務めだからね」
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