過去ログ - 提督「ウチは平和だなぁ」艦娘「表面上は」 その2
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889: ◆uyMG3dCVpM[sage saga]
2016/01/03(日) 03:23:46.40 ID:DF/UsVyM0
海野「友人としては生きていたことは嬉しい、そんな気持ちはあります」

それは本心だった。

海野「だけど、あの人を盗った怒りや、なんであれだけの失態を犯して生きているか・・・生きていられるのか・・・」

怒るというよりは悲しそうに喋る。

海野「それを考えると憎しみばかりが増していくんですよ」

光の宿らない瞳で笑いながら彼女は喋る。

「色々聞きたいことが貴女にもあるでしょう。でも、その前に貴女が死んだ後、何があったか知りたいですか?」

知りたい。

だけど、知りたくない。

そんな2つの気持ちが自分の中でぶつかる。

恐かった。聞くのが恐い。

海野「恐いですか? でも貴女は知らなければなりません。じゃないと許せないから」

こちらの返答を聞く前に語り始める。

海野「司令官戦死の報告は鎮守府に衝撃を与えました。誰も信じられなかった」

南方「・・・・・・」

海野「すぐに別艦隊を現地に向かわせて、提督の捜索と敵の殲滅が叫ばれました。大本営の命令に背いてでもと」

恐らくそうなるだろうとは思った。

自分でもそうするだろう。

海野「当時、私は司令室で大淀と作戦立案をしてましてね・・・結論から言うと出撃した者達は全滅しました」

南方「全滅・・・? 長門達も?」

恐らく、鎮守府に残る最大戦力での出撃。そうなれば必然的に長門が旗艦を勤めたことだろう。

彼女達が全員全滅とは考えられない。

敵の強さを目の当りにしたら、どこかしらで撤退するだろう。

戦い慣れている者ほど、引き際も心得ている。

海野「何とぼけてるんですか? それとも覚えてないんですか?」

南方「え?」

背中に嫌な汗が流れた。

『聞くな』とう脳が警戒している。

海野「彼女達を殺したのは・・・」

――――止めろ

―――――聞くな

全身が寒い。その先は聞いてはいけない。

耳を塞ぎたくても体は動かない。

海野「・・・貴女でしょ」

まるで心臓をナイフで抉られたような感覚。

南方棲鬼は声にならない悲鳴をあげた。


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