87: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/17(日) 18:55:50.09 ID:FPT0xFOF0
王子「姫様っ!」
姫「!」
不意に王子に抱きしめられた。
季節は冬。寒風の中で触れ合う温もりに、姫は体を委ねた。
姫「本当に後悔はありませんか…?全てを捨てて来たことに」
王子「いいんです…姫様がいれば、それで」
私も、貴方だけが欲しかったんです――だけど言葉にできなかった。泣きそうな顔を見られたくなくて、王子の胸に顔を埋める。
今は言葉はいらない。愛しい人が目の前にいてくれるのなら、それでいい。
王子(俺はもう、手放さない――)
心の中で、強く誓いを立てた。
川のせせらぎだけが聞こえるその場所で、互いにその瞬間を惜しむかのように、時間はしばらく止まっていた。
Fin
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