過去ログ - 海未「園田海未役の園田海未です」 -SS速報VIP

過去ログ - 海未「園田海未役の園田海未です」

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20:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 18:24:37.79 ID:IQZReryX0
真姫　「ははあ、わかってきたわ。
　　　　そして、そのほかにまだ、海未Cがいるというわけね」
海未　「ええ、押さえこまれ、心の奥底に隠された私です。
　　　　こいつがこの前、放送室で海未Aに言いマチガイをさせた張本人なのです。
　　　　あれ、まてよ、本人ていうのは私のことだから、ええと…

以下略

21:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 18:25:47.48 ID:IQZReryX0
海未　「ところで、AとかBとかCっていう記号は、人の名前につけるにはあまりにも無味乾燥じゃありませんか」
真姫　「そうかもね。
　　　　でもこの場合はしょうがないんじゃない？」
海未　「作詞家の魂が、『スノハレのときみたいに、名前をつけようか』と叫んでいます。
　　　　例えば海未Cは、私を陰で操る黒幕だから…」

以下略

22:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 18:26:21.43 ID:IQZReryX0
結局、私の詩情あふれる通り名は、「よけいにこんがらがるから」という理由により採用されなかった。
しかし、シャドー園田とファントム園田による、ダーク園田に対する戦いは、いま始まったばかりなのだ。

23:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 18:27:00.95 ID:IQZReryX0
【翌日、ふたたび音楽室】

海未　「真姫、昨日はありがとうございました。
　　　　私のくだらないタワゴトに付きあってくれて」
真姫　「私でよければ、いつでも話くらい聞くわよ。

以下略

24:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 18:27:41.37 ID:IQZReryX0
海未　「そうなんです。
　　　　どうしたらいいかわからなくて、放送室で言いマチガイをする前から、実はずっと悩んでいたんです。
　　　　でも、昨日の話のおかげで、だいぶスッキリしました」
真姫　「どんなふうに整理できるの？」
海未　「今起きているのは、善玉（海未AとB）と、悪玉（海未C）との戦いなのです。

以下略

25:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 18:28:27.60 ID:IQZReryX0
真姫　「じゃあ、どうすればいいと思うの？」
海未　「なぜかはよくわかりませんが、私が押さえこんで心の奥に隠した海未Cは、がんばってマジメに生活しようとする私の邪魔をしています。
　　　　とすれば、何をすればよいかは明らかです。
　　　　善い私は、そういう悪い私を、もっと強く押さえこめばいいんです」
真姫　「海未、でも、それは…」

以下略

26:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 18:29:18.87 ID:IQZReryX0
すこしの沈黙のあと、真姫が口をひらいた。

真姫　「ねえ海未、私には専門的な知識はないし、先輩であるあなたにエラそうなことを言うつもりもない。
　　　　でも、私は、その対処法は、まちがっていると思う」
海未　「なぜ？　どこがまちがっているのですか？

以下略

27:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 18:30:02.26 ID:IQZReryX0
長い沈黙のあと、今度は私から口を開いた。

海未　「真姫、助言してくれて、ありがとうございます。
　　　　あなたの言うことは、よくわかっているつもりです。
　　　　さんざん『がんばれ』という歌詞を書いてきた私が言うのも何ですが、もしかすると、私のがんばりかたは間違っているのかもしれません。

以下略

28:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 18:30:58.39 ID:IQZReryX0
その日、家に帰ってから、ひとりでぼんやり考えた。

期待された役割を演じるというのは、だれでもしていることだと思う。
長屋の熊さんは、三軒隣の八っつぁんに対して、よき隣人であろうとする。
タコ社長は、フーテンの寅さんに対して、愛すべきケンカ相手であろうとする。

以下略

29:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 18:31:42.09 ID:IQZReryX0
家族に対しては、娘という役割を演じる。
μ’sのみんなに対しては、μ’sの一員という役割を演じる。
弓道部のみんなに対しては、弓道部員という役割を演じる。
学院のみんなに対しては、生徒会副会長という役割を演じる。
まだまだ演じるべき役割はたくさんある。

以下略

30:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 18:32:17.58 ID:IQZReryX0
どうして私は、カッコいい海未ちゃんになろうとしてるんだっけ？
誰かが私に期待してくれたからだ。
その人たちに対して、私はいつでもカッコつけていたいのだ。
では、誰に対して、私はカッコつけようとしているのだ？
ここで私は、今日真姫にされた質問に戻ってくる。

以下略

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