15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/11(月) 23:33:46.18 ID:Gk/WojOoo
高いところだから、風が強かった。馬鹿と煙は高いところが好きだと言う。
じゃあ、もっと高いところへ登ってやろうと、屋上の隅にあぐらをかいている貯水タンクのはしごに足をかけた。
その頂上へ立ったとき、ちょうどプロデューサーさんが屋上のドアを開けた。
「降りてください」彼は私を見上げ、さして動揺した風でもなく言った。
「落ちろってことですか!」
「そうじゃないです、登ったときみたいに、降りてください」
涙と鼻水を袖で拭って、夜空を見上げると三日月が切ったあとの爪みたいに落ちていた。
「ウサミン星に帰りてぇー!」
私は叫んだ。
プロデューサーさんはあからさまに眉をひそめた。
闇を払うような街の灯、私の居るべき場所はここじゃいけませんか。
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