過去ログ - 澪「グレイッシュ・ガール」
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34:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 18:30:22.48 ID:+HxJNIVIo

唯「多分だけど、綺麗に整えられた畑とかは地球の文化を知らない宇宙人にとっては文字の書きやすいキャンバスにしか見えないんだよ」

澪「……なるほど。宇宙人からすればそうでも、地球人からすれば稲とかがダメになるから迷惑なことで……」

唯「それをわかっててあまり被害が出ない砂浜に書いた、ということだとしたら」

澪「地球の文化を知ってて、他人に迷惑をかけないような気遣いもできる人、ということか」

唯「まあそれでもムギちゃん家の別荘に不法侵入しちゃってるんだけどねー!」

澪「ゆ、UFOで空中から書いたのならきっとセーフだよ、うん」


ってなんで私は宇宙人の肩を持ってるんだろう。
ま、唯が悪そうな人じゃないと言ったんだし、肩を持つくらいはいいかもしれないけど。
あ、でも唯が宇宙人と最初に聞いたときは怯えた私だし、さっきの発端のミステリーサークルの話の時だって言葉に詰まったし、この宇宙人の肩だけ持つのは唯から見れば気分のいいものじゃないかも…?
……と思っていたが、唯は予想に反して、いや、予想外なほどに満面の笑顔だった。


澪「……どうしたんだ?」

唯「ううん。澪ちゃんとこうして宇宙人について普通に話せるのが、なんか嬉しくて」

澪「そ、そうか……」


そうか、唯は私と普通に話がしたいのか。
……やっぱり、あまり気を遣うのも唯に悪いのかもしれないな。
気遣いが丸出しだと相手に申し訳なさを抱かせてしまうものだし。それでなくても唯の積み重ねてきた頑張りは多少のことでは揺るがないものだってわかったし。


澪「と、とりあえず続きが送られてくるまではこちらからすることは何もない、ってことだな」

唯「そういうことだねぇ。いつも通り過ごすことにするよ。いつも通り澪ちゃんとイチャイチャしとくー」

澪「い、イチャイチャってお前な……」

唯「えへー」

澪「っ……///」


ま、まあ満更でもないんだけど。





――だけど、その満更でもない日々はそう長くは続かなかった。


律「澪ー、帰省の準備は進んでるかー?」

澪「お前こそ早く帰れるように頑張れ」

律「ぐっ、痛いところを……」

澪「日頃からレポートちゃんとやってればいいだけのことだろ。唯だってちゃんとやってるんだから」

律「あれは澪と一緒に帰りたいがために頑張ってるだけだろ。いつも通りなら唯もこっち側だっての」

澪「そ、そうかな……えへへ」

律「けっ。ご馳走様ですよーだ」


ミステリーサークルの話から、ほんの数日後。私達はそれぞれ冬の帰省に向けていろいろと準備をしていた。
もう既にほぼいつでも帰れるような状態にあるのが私。あと僅かなのが唯とムギ。全然ダメで今夜も私の部屋に来てまで必死こいてるのが律、という現状。
『大体の人は』もうすぐ帰省、ということで、部活も今日が最後ということだった。部長達4回生も忙しそうだったので、あの人達を慕う身としてもそれでいいと思う。

現状といえば、唯はまだ宇宙人であるということを明かせていない。一方、ミステリーサークルの写真は毎日送られてきている。
むしろいまだに毎日送られてきているから明かせていないのかもしれないが、何にせよ私は急かしたりはしないようにしている。
というかそもそも私個人としては、唯のご両親が言ったように唯は宇宙人だということは忘れて生きていいとさえ思う。
それほどまでに何も変わらない。私も何も変わらず唯を好きだから。唯もそんな私の姿とご両親の言葉に従うか悩んでいるのかもしれない。
ミステリーサークルに込められたメッセージの内容についてもそろそろ結論が出てもいい頃だと思うけど、こちらも唯が自ら口にするまでは急かしたりしないようにしていた。
もちろん、唯が相談してくれたら喜んで飛びつくけど。でも自分で決められる限りは唯が決めるべきだと思った。……これも気遣いになってしまうのだろうか。


澪「……唯、遅いな」

紬「……あの、澪ちゃん」


ムギが恐る恐るといった感じで口を開く。
今夜のムギは口数が少ないと思ってはいたけど……


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