4: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/05/13(水) 18:42:29.25 ID:r/hzVa010
然し、そんなことはさしたる問題ではない。
いつも通り黒衣を身に纏えば――。
5: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/05/13(水) 18:55:34.51 ID:r/hzVa010
そんなこんなで、自分の様子がおかしいと思いながら過ごしていると、時計は午後3時を示していた。
「おやつの時間だよ〜」
6: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/05/13(水) 19:06:15.20 ID:r/hzVa010
「蘭子ちゃん?」
かな子ちゃんがお菓子の箱を持って歩み寄ってくる。
「蘭子ちゃん、食べないの?」
7: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/05/13(水) 19:15:40.24 ID:r/hzVa010
「一人……?」
「まあね。みりあちゃんが泣き出しちゃうもんだからさ、みんなそっちに付きっきり」
「そっか……。泣かせちゃったんだ……」
8: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/05/13(水) 19:21:11.29 ID:r/hzVa010
「私もさ、逃げ出したくなるときあるんだよね」
李衣菜ちゃんは独り言のように口を開き、続ける。
「でもさ、楽しいんだよ。楽しいからやめられない。楽しいことをめいいっぱい楽しむってロックでしょ?」
9: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/05/13(水) 21:26:28.56 ID:r/hzVa010
「私だって、楽しくないわけじゃない……」
「嘘。今日の蘭子ちゃん、全然楽しそうじゃない」
「アイドルは、楽しくなくない……」
10: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/05/13(水) 21:34:06.36 ID:r/hzVa010
意外だった。差し出されたヘッドフォンを耳に掛けると、聴こえてきたのは――。
「これ、何かのアニメの曲?」
「アニ……あっ!」
11: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/05/13(水) 21:51:34.13 ID:r/hzVa010
「えっと……」
「いいの。この曲、好き……」
伸びやかで元気な歌声は、どこか私の歌に似ているような気もした。
12: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/05/13(水) 21:58:14.12 ID:r/hzVa010
「説得、ダメだった」
「李衣菜ちゃん、お疲れ様」
「蘭子ちゃん、やっぱり昨日のこと……」
13: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/06/13(土) 12:25:17.76 ID:Z3dKQGvH0
私はただ怖かった。あれは誰?どうしてあんな風に歌えるの?
あれは私?違う。私じゃない。もう一人の……“誰か”。
私は布団に蹲っていた。このまま眠ってしまいたかったが、また邪魔が入る。
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