過去ログ - 夕張「クルマ買いました!」
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464: ◆v5iNaFrKLk[saga]
2015/06/24(水) 21:53:01.45 ID:DMuipzRr0

七色大橋手前――。

臨戦態勢を整えた夕張のワンエイティが加速する。

今回エンジンを組み直すに当たって、夕張が特に意識したのはトルク感とレスポンスだ。

公道……とりわけ都高というステージにおいて、最高速の数字よりも到達するまでのスピードが重要と考えたのだ。
足回りとボディの見直しに合わせて、エンジンはあえてピークパワーを追わず、踏めば即ブーストが立ち上がるように施工した。

期待通りの結果だった。大成功といえる。

しかし今は、パワーが欲しい。
ありったけの大出力が。

ワンエイティが先導するも、後ろに居るGTOはまるでこちらの様子を伺うように悠然としている。

一方の夕張は既に全速力……隣に由良が乗っている為、これ以上のペースアップは無謀だ。余力など殆ど無いに等しい。

大橋を越え、しばらくすれば湾岸線への分岐点にぶつかる。
パワーはどう考えてもあちらが上。当然最高速勝負になってしまえば、夕張のワンエイティは一瞬で置いて行かれ、あっという間に消えてしまうだろう。

まるで赤子と大人―
いや、イージス艦を相手に大戦期の軽巡で突っ込むようなものか。

夕張はつい、自嘲気味に笑った。

夕張「余裕見せてくれちゃって……冗談じゃないっての」

由良「まるで姫や鬼クラスに遭遇した様なプレッシャー……追われているからってだけじゃ、ないよね」

夕張「川内がコイツを見た時、寒気が止まらなかったって。ようやく共感できたわ。色々存在がおかしいもの」

由良「勝ち目は……聞くまでもないよね」

夕張「せめて環状線なら何とかなったかも知れないけど、ココじゃ流石に無理」

由良「なら、もう諦めた方が……」

夕張「少しでもデータが欲しいの。ただの機械が、どうしてあんな空気を纏い、生きているようにさえ思えるのか……それだけでも充分興味深い事例じゃない」

由良「でも、あんまり深入りすると危険だわ」

夕張「提督にも言われた……岩崎さんも遠回しに関わるなって言ってたんだって」

夕張「でも出逢っちゃった以上、ハイそうですかとはいかないでしょ!」



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