643: ◆v5iNaFrKLk[saga]
2015/08/14(金) 15:51:17.35 ID:kCyzMtjQ0
夕張「こ……工作艦・朝日って、私達の大先輩じゃないですか!」
由良「何で提督さんと……」
提督「昔、大黒で知り合った」
夕張「いやいやいや……」
提督「俺だって最初は驚いたんだぜ?朝日さんが元艦娘だって知ったのは着任してからだ」
提督「今でこそ艦娘の存在はのっぴらきになったが、当時は重要機密でな。軍関係者の中でもごく一部にしか伝わっていなかった。当然、一介の暴走族風情の俺が知る由もない訳ヨ」
朝日「彼と出会った時には既に退役した身でしたし、一応守秘義務もあったものでしたから」
由良「では何故、提督さんのクルマに手を入れるようになったのですか?」
提督「『Mid-knight』ってチーム、知っているか?」
夕張「都高を走っていて知らない方がモグリですよ……って、まさか」
提督「おうよ。L28改ツインターボのS130。それが朝日さん」
夕張「 」
由良「え?どういうこと?」
夕張「……かつて湾岸に君臨していた伝説のチームよ。その中でも有名だったのはワークスチューンの930ターボと、ABRエアロのZ……同チームの看板マシンね……」
提督「湾岸で実測300キロオーバー。Rやスープラが台頭し始めた頃に、130でこの数字は驚異的だった。ガキの頃に憧れたZが目の前に現れた時は、ホントに興奮したよ」
朝日「懐かしいですね。実際にそこまで出ませんでしたが」
由良「もしかして、そこに止まっているZがそうですか?」
提督「おう。今は赤くなったけど、当時はグレーだったな」
夕張「ちょっと見て来ていい!?」
由良「後にしなさい」
提督「……で、聞けばチューニングはほぼ自分でやっていると。ワンエイティのチューンに悩んでいたこともあって、兎に角拝み倒して以来付き合いが出来たってとこかな」
朝日「最初は自分以外のクルマには責任が持てないと断っていたのですが、彼の走りや考え方を知り了承したのですよ。彼はちゃんと、分かってくれると」
夕張「分かってくれるとは……?」
朝日「正確には知ろうとする姿勢ですね。作業する際は必ず手伝わせていたのですが、一つ一つの作業の意味を考え、キチンと自分の言葉として消化して発する。コレって案外難しいのですよ」
提督「そうですかね?」
朝日「先入観や予備知識というのは、時として価値その物を歪めてしまいます。やがて個が構築されていくと、自分の価値観に無いモノはまず否定してしまう。その方が楽ですからね」
朝日「彼にはそれを感じなかった。若さ故の無知ということもあったのでしょうが、何処かセンスがあったのでしょうね」
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