3:名無しNIPPER
2015/05/16(土) 21:00:51.99 ID:9uVkpaBD0
作者はさっき、「CoPが雨やみを待っていた」と書いた。しかし、CoPは雨がやんでも、格別どうしようと云う当てはない。ふだんなら、勿論、プロダクションへ帰る可き筈である。所がその社長からは、四五日前に代表に意見するってよく考えたらすごく失礼なこととして暇を出された。前にも書いたように、当時京都エリアは一通りならず衰微していた。今このCoPが、永年、使われていた社長から、暇を出されたのも、実はこの衰微の小さな余波にほかならない。だから「CoPが雨やみを待っていた」と云うよりも「雨にふりこめられたCoPが、行き所がなくて、途方にくれていた」と云う方が、適当である。その上、今日の空模様も少からず、このモバマス末期の下人の DOKIDOKIRHYTHM に影響した。申の刻こく下がりからふり出した雨は、いまだに上るけしきがない。そこで、CoPは、何をおいても差当り明日の暮しをどうにかしようとして――云わばどうにもならない事を、どうにかしようとして、とりとめもない考えをたどりながら、さっきから朱雀大路にふる雨の音を、聞くともなく聞いていたのである。
雨は、羅生門をつつんで、遠くから、ざあっと云う音をあつめて来る。夕闇は次第に空を低くして、見上げると、門の屋根が、斜につき出した甍の先に、重たくうす暗い雲を支えている。
13Res/13.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。