過去ログ - 大庭葉蔵「僕は、自演のないところに行くんだ」
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30:名無しNIPPER[saga]
2015/05/17(日) 23:53:05.14 ID:DEaQArjQO

そう。

コペルニクス的発想ではありませんが、横着者の思い付きというのはどうしてどうして、馬鹿にできないところがあるのです。


自分は恐る恐る、水の中に足を入れてみました。


するとそれが、火照ったふくらはぎにひんやりと心地よいではありませんか。

自分は足元に注意しながら、さらに腰まで水の中に進み入りました。

濁流といっても、体ごと持っていかれるほど激しいものではありません。


たちまち、メロス君が挑んだ濁流がそんなにも大層なものだったのか、あれは多分に自分を英雄視させたいがための誇張だったのではと、不届きな思い上がりが頭をかすめたりいたしました。


(ああ、でもこの水は気持ちがいい。昨夜の酒を体から洗い流してくれるようだ……)


頭から水をかぶってみて、ますますそう実感しました。

おまけに水の勢いは次第に衰え、胸まであった水かさも、いつの間にやら膝の上ほどになってしまったときには、かえって物足りないように感じたくらいです。


そうやって難なく対岸に上がると、その先は峠道です。

時刻はとうに正午を過ぎていましたが、上り坂を駆け上がる力などありません。

先だってのように足腰に鞭打って、這うようにして峠に着きますと、次の難関、山賊が待ち構えておりました。




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