過去ログ - 詩羽「詩羽無双?」倫也「詩羽先輩、勘弁してください」
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3:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/05/20(水) 07:32:56.00 ID:rkQc+dEF0


詩羽「だったらどういえばいいのよ?」

倫也「それは、そのですね。ちょっと待っててください。今考えますから」

詩羽「じゃあ倫理君が考えている間に参考意見をあげていくわね」


 思考の海に身を浸そうとした瞬間、詩羽先輩は容赦なく熱湯を注ぎこんでくる。

いつもの毒舌プラスなんだか意味不明の苛立ちが通常比2倍の威力で俺を襲ってきた。


詩羽「そうね、あなたの事だからファミレスで時間をつぶそうとか言ってくるのよね」

倫也「それさっき俺が言いました。……いいえ、なんでもありません」


 さらにつり上がる眉に俺の声はしぼんでいく。

一方で先輩の苛立ちは破裂しそうだけど……。


詩羽「だったらタクシーで帰ろうとか言うのよね。あとで編集部に請求するとか

  いうんでしょ? 新人作家が終電逃した程度ではお金出してくれないわよ。

  それこそ徹夜で執筆して時間をつぶせって言ってくるわね」

倫也「それはご愁傷さまで……、いえ、なんでもございません」

詩羽「でも倫理君は倫理君だものね。そういう判断を下すのも倫理君だからこそだもの。

   でもね倫理君。女の私が馬鹿正直に愛の告白をしているというのに、

   その返事はないと思うのだけど」

倫也「すみません……、ってセックス本気だったんですか?」

詩羽「本気に決まってるじゃない。私の処女をあげるっていってるのに、

   どこかの馬鹿がいらないって言ってきたけど」

倫也「違いますって。詩羽先輩の事だから、

   いつものように俺の事をからかってるんだと思って」

詩羽「そう? だったらもう一度言うわね」


 いったん全ての怒りを俺に放出した先輩は眉を肩を下ろし、

背筋をぴんと伸ばして俺と向き合った。


詩羽「安芸倫也君。あなたのことが好きです。だからホテルに行きましょう」

倫也「…………」

詩羽「これでも、だめなのかしら?」


ぴんと張り詰めた気迫はここまでで、詩羽先輩は今度こそ心底心細そうに身を震わせる。


詩羽「ねえ倫理君。私もまじめにいったのだから、倫理君も真面目に答えちょうだい」

倫也「…………」

詩羽「倫理君?」

倫也「あっ、はい。すみません。予想を大きく超える出来事に頭がフリーズしてまして」

詩羽「それで答えは?」

倫也「ごめんなさい。俺は詩羽先輩のご要望には応えられません」

詩羽「そう……。悪いけどタクシーで帰ってくれないかしら。駅前にはまだタクシーが

   いるはずだから。そうね、編集部あての領収書を貰っておいてくれれば

   大丈夫なはずよ」




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