過去ログ - 一色いろはは諦めきれない
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:30:19.54 ID:7ApHxlU3o
先輩………………泣いてる?

俺は、本物が欲しい。

呻くように、絞り出すように、誰かにすがるように放たれた先輩の言葉が響く。
以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:31:31.97 ID:7ApHxlU3o
けどすぐに、そこに誰もいなかったかのように振り向くと、そのまま階段を上へ駆けていった。

わたしはまだ動けずにいた。

部室の中では結衣先輩が懇願するように先輩に話しかけている。
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:32:48.80 ID:7ApHxlU3o
うわ、わたし超怪しい……。

これじゃバレるかもしれないと思ったけど、そんなことを気にしていたのはこの場でわたしだけだった。

「いろはちゃん?ごめん、また後でね」
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:34:26.14 ID:7ApHxlU3o
おもわず先輩のブレザーを掴んでしまった。

少しだけの嫉妬と疎外感があった。

はぁ……先輩たちには仲良くしてほしいですし、ちゃんと伝えますかね……。
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:36:00.96 ID:7ApHxlU3o
だから、追いかけて続きを見たいとは思わなかった。

きっと、嫉妬と疎外感が大きくなって、虚しくなるだけだから。


以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:37:25.61 ID:7ApHxlU3o
この時は頭でよくわかっていなかったけど、わたしの心の奥底で燻っていた、僅かな願望に火を灯すには十分だったみたい。

さっきまでわたしを足止めして動けなくしていたその言葉は、すぐにわたしを突き動かす不思議な力に変わっていった。

そして、わたしの目の前を駆けて行った先輩たち三人の間に、これまでにわたしが諦めていた何かが見えた気がした。
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:38:38.68 ID:7ApHxlU3o
まあ、周りの女子からあまり好かれてはいないことは知ってましたけどねー。

ちょっと手の込んだことやりすぎじゃないですかね……ムカつくー……。

顔にはあまり出さないように、心の中でこんなことをした連中に悪態をついていると、城廻先輩がほわんとした顔で「どうかしましたかー?」と言わんばかりにこちらを覗き込んでくる。
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:39:39.28 ID:7ApHxlU3o
まあだからわたしはこんな目にあっているわけなんですが……。

それは置いといて、女子同士ならすぐにわかるのに、男子はもう、それはもうビックリするほどに騙される。

まるでジャグラーにでもなったかのように手玉に取れるので、おもし……たまに気の毒になることすらある。
以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:40:37.73 ID:7ApHxlU3o
「あ、あのー……わたし、立候補とかした覚えないんですけど……」

ようやくそれだけを話すと、城廻先輩は不思議そうな表情を浮かべて首を傾げる。

くっ、あざと……くない!城廻先輩本物だ!もういやこの人!
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:41:42.46 ID:7ApHxlU3o
城廻先輩は真っ直ぐにわたしを見つめ、優しく諭すように話す。

「……もう、立候補は取り消せないってこと」

はー…………マジ、超めんどー…………。
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/21(木) 22:42:29.37 ID:7ApHxlU3o
たぶん妬まれている、というほうが正しいんだと思う。

だって、自慢でもないけど、わたしは可愛いし。

わたしは入学して割とすぐ、葉山先輩に目をつけた。
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