9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/23(土) 08:15:05.17 ID:MfcNSvx0o
「……なあ松本、確かに私たちがこれからどうなるのかは誰にもわからないよ。松本がどうなっていくか……どんな人と出会っていくか」
「その時間の中で、私たちの距離が離れてしまうことは……避けられないだろうな」
―――人の時間とは、そういうものだよ。
「二人の距離を、ずっと繋ぎ止めておける……そんな魔法みたいなことは無いものかと、私も考えていたことがあった」
「…………」
「そうしたらな、どうやら自分でも気づかないうちに、その魔法を使ってしまっていたみたいなんだ、私は」
手を止めて背後に回り込んだ先生は、ふわりと両の腕で私の頭を包み込んだ。
やわらかな胸の感触を後頭部に感じる。
そして開いた手で前髪をさらさらと弄びながら、優しく言った。
「わかるか松本……この髪だよ」
「……?」
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