過去ログ - 【アイマス】レモンのサプリメント
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15: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:51:25.23 ID:no/VhTCJo
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事務所へ帰る車中、如月さんは深く考え込んでいるようだった。
16: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:52:06.73 ID:no/VhTCJo
「なぜ、プロデューサーではなかったんですか ?」
「何がですか?」
17: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:52:40.38 ID:no/VhTCJo
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18: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:53:50.55 ID:no/VhTCJo
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事務所の屋上で紫煙を燻らせる。
19: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:54:47.61 ID:no/VhTCJo
「なぜ?」
「如月さん、貴女は私をどういう人間だと思っていますか?」
20: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:55:47.25 ID:no/VhTCJo
「私が如月さんくらいの頃、私はごくごく狭い人間関係の輪で満足していました。その関係が、私という人間の唯一の価値でした。気の合う数人と遊んだり、馬鹿話をしたり。いわゆる青春というやつでしょうか」
すみません、と断ってから次の煙草に火を点ける。
21: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:56:25.18 ID:no/VhTCJo
「でも、今のプロデューサーはきちんと人と人の間に立ってるじゃないですか」
「どんな傷でも時が経てばある程度は癒えるものです。それでも後遺症とでも言えばいいのでしょうか。今でも私は他人との距離の取り方がわかりません。それを誤魔化すための人当たりの良さ、穏やかな態度なんですよ」
22: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:57:18.57 ID:no/VhTCJo
「そんなある日、私はとある川辺で一人の女性を見つけました。彼女は朝日を浴びながら歌っていました。綺麗な声で、誰に聞かせるでもなく伸び伸びと。それを聞いていたらね、なぜか涙が零れてきたんですよ」
あの日の光景は、生涯忘れることはないだろう。
「歌を聴いて感動する、そんな当たり前の感情が自分に残っていたことに驚きました。そうしたらね、思ってしまったんですよ。この感動を、もっと多くの人にも感じてもらいたいって」
23: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:58:09.10 ID:no/VhTCJo
「それはその……そういう事情があったのでは仕方がないと言いますか、でももっと私を信頼して欲しかったと言いますか」
顔を上げると如月さんがあたふたしている。
はじめて見る光景は年相応の女の子のそれで、思わず笑みがこぼれてしまった。
24: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:59:13.28 ID:no/VhTCJo
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「さあ、答えを聞かせてください」
25: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:59:55.49 ID:no/VhTCJo
「というのは建前で」
あ、やばい、千早の眼が据わってる。
これガチで怒られるパターンだ。
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