過去ログ - 鳥海「司令官さんが木曾さんを冷遇している?」
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10: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/05/23(土) 23:09:42.30 ID:vIcS5yts0


木曾「こうして組むのは初めてだが自己紹介はいらねえな? 今日は旗艦を頼んだぜ、鳥海」

鳥海「そちらも二番艦、よろしくお願いします」

木曾「ああ、任されたぜ」

 高雄姉さんとの話をまた思い出したけど、本当に司令官さんが木曾さんを冷遇しているなら飼い殺しにするんじゃないでしょうか?
 それとも何か謀略の類を巡らせているとか……そんなことはないと思うけど。

鳥海「木曾さん、補給は受けてますよね?」

木曾「当たり前だろ。何言ってんだ?」

 木曾さんが怪訝そうに片目を細める。

鳥海「いえ、それだったらいいんです。出撃前に念のため」

木曾「ふうん。まあ、そういう習慣があるのは立派だと思うぞ。というわけでお前たちは大丈夫か?」

 木曾さんの声に駆逐艦の子たちが反応して、一斉に装備の点検をする。

木曾「鳥海の用心深さを忘れるなよ、お前ら」

 もしかして、私を立ててくれてるのでしょうか?
 それとも駆逐艦の子達を心配して?
 両方、というのが正解の気がします。
 私も旗艦なんだから、それらしく場を締めないと。
 そう思うのに、なんだか言葉が上手く出てきてくれません。いつもはこんなことないのに。

木曾「大丈夫か?」

鳥海「え、ええ」

 木曾さんが個別回線で話しかけてくる。緊張を見透かされてしまってるみたいです。

木曾「あんま気負わずにやりなよ。そんなんじゃ、いつもの力ってやつを発揮できないぜ」

鳥海「そうですよね。でもでも……」

木曾「不安か? だったら提督の判断を信じてやれ。提督が鳥海ならやれるって踏んだから、あんたが旗艦なんだ。難題を吹っかけても、無茶と無謀はさせないやつだからな。たぶんな」

 気遣われてる。その配慮が嬉しくて少し気持ちに余裕が出てきた。

木曾「行けるな?」

鳥海「はい」

 駆逐艦の子達も点検終了の返事を次々と返してきた。
 目を閉じて深呼吸を一度。
 海に出るのは戦いのため。それなら不安も動揺もこの間だけは考えないようにする。
 心がいくらか穏やかになった気がする。時間の流れが遅くなって、世界の音が全て後ろに流れていくような感覚。
 ……そう、別に戦艦と空母で混成された精鋭艦隊に殴り込みをかけるわけじゃないんだから。
 こちらも経験が浅いと言っても駆逐艦の子たちは将来を期待されている子ばかりで、木曾さんもいる。
 それに私だって、砲戦も雷撃戦もそれなりに自信はある。摩耶ほど対空戦闘は得意じゃないけど、航空戦力は確認されてないから気にしなくていい。
 ――戦える。勝ちに、行くんだ。

鳥海「抜錨! さあ、皆さん行きましょう! やるわよー!」

 自らを鼓舞し、私たちは戦いの海へと発進した。





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