過去ログ - 鳥海「司令官さんが木曾さんを冷遇している?」
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53: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/06/10(水) 10:26:54.18 ID:KXMMAyFK0


 灯火管制を敷いてはいるが、現在の鎮守府は最前線そのものというわけではない。
 そのため夜間でも各所に点在する形で外灯が点いている。
 加えて今日はほとんど満月だったので月明かりもあった。
 島風だから大丈夫だとは思うが艤装を着けて海に出られたら面倒だ。その場合は川内か帰還中の飛鷹たちに見つかるはずだが。
 足は自然と波止場に向く。波止場の先端に一番いい風が吹くと、駆逐艦の誰かが言ったのを覚えているからだ。
 あれは叢雲だったか深雪だったか。確か、そう言ったのは両方で先に言ったのが深雪だった……はず。
 鎮守府を預かるようになってから色々とあったものだと、不意にそんなことを思う。
 今や艦娘たちも100人を越える大所帯になっていた。海域も順調に攻略できれば、年内にトラックかショートランドまで進出するのも視野に入ってきている。
 過去を振り返りそうになる頭を振り、思考を今に引き戻す。
 波止場に着くと銀色の物体が三つ動いてるのが見えた。

提督「島風の連装砲か?」

 何故か自立的に動く島風の三つの主砲が波止場の手前でぐるぐると回っている。
 遠巻きに島風の心配をしてるのだろうか。傍目には不審な動きではあるが、そう解釈する。
 いずれにせよ連装砲たちがいるなら島風もここにいると見て間違いないだろう。
 こっちに気づいて三つの連装砲が見上げてくる。
 口を開いて出てくるのは、なんだかよく分からない声。

「すまないが、お前たちの言葉はさっぱりなんだ」

 真ん中の連装砲の脇の下に両手を入れて持ち上げてみると、思っていたよりもずっと軽い。猫と同じぐらいか?
 ただ金属故の硬さがあるし、ひんやりと冷たい。夏なら夏で気持ちよさそうではあるが、それだと硬さが気になってくる。

提督「……ちょうどいい」

 持ち上げられたままのと、それを見上げる二つの連装砲に頼む。

提督「少しばかり力を貸してくれないか?」

 何か連装砲たちは言うが、やっぱり意味は通じない。しかし肯定なのは彼、あるいは彼女たちの態度で分かった。





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