過去ログ - 照「明日もし、あなたか私が壊れても」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/05/25(月) 01:06:27.71 ID:gts+G51j0
結局、母はその仕事を引き受けざるを得なかったとのことで、私は母と共に東京へ越した。
無論、父を。咲を残して。
姉妹の道はこれ以降正反対の物になり、交わらない日々が続いた。
誰も知らない地に身を預け、麻雀に熱意を向ける姉。
誰もかれも知っている地に身を委ね、麻雀から離れる妹。
私が去ってからの六年間を、咲がどのように過ごしていたのか。この時の私はまだ知らない。
東京は激戦区と言わんばかりに、麻雀人口が長野とは比べ物にならなかった。
父の言葉に、自然と期待し胸が膨らむ。膨らまなかったけど。
麻雀に対して強くなりたいと言って上京してきた私だったが、そもそも、家族内麻雀でしか殆ど麻雀には触れることはなかった。
もしかしたら井の中の蛙がまさに私なのかもしれない。だが、私は自分の実力を試したい。確かめてみたい。
そのような考えの中、激戦区の麻雀部員と牌を交える事が出来るとあって、私はワクワクしながらその門戸を叩いた。
入部届けを出した希望者には、即入部テストを行うと。
私が通されたのは部のナンバー1から3を集めたフルコースの卓だった。
既に三人が座り、私の着席を待つ中…私は座った瞬間理解した。
咲とみなもは、間違いなくこいつらより強い、と。
そして、私よりも、明らかに弱い、と。
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