過去ログ - 安部菜々、魔法少女になる。〜PROJECT G4〜
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◆2YxvakPABs
[saga sage]
2015/05/26(火) 22:59:18.07 ID:6BW4cku00
その言葉に、卯月は固まった。
硬直は一瞬。すぐに、卯月はいつもの彼女へと戻った。
「何言ってるんですか、島村卯月、17歳ですよ! ブイッ!」
「いいえ」
『ルパッチマジックライブゴー、チョーイイネ!』
瞬間、卯月の視界から菜々が消えたかと思うと、菜々は卯月の後ろに走り抜けたような格好で、移動していた。
卯月の手からは、さっきまで握っていたアイドルカードが消えている。
「卯月ちゃんはここにいます」
菜々は、卯月から奪ったアイドルカードを目の前にかざした。それは、卯月自身が載っているアイドルカード。
卯月は、何も言わない。
菜々は、この短時間の間に様々な魔法少女に追われた。
遭遇しては撒いて、遭遇しては撒いて。そんな中で、彼女はふと気付いてしまった。
――これだけ沢山の魔法少女に出会っているのに、カードに写っていた人物と同一の魔法少女に出会っていない、と。
解凍小悪魔ツインデビルズの3人だってそうだ。
彼女たちのカードを見て以降、あの3人を見かけていない。
あれだけしつこく追ってきていたのに、引くのがあまりにあっさりすぎる。これを不自然に思わない人間はいない。
彼女たちのカードを見つけたのは、菜々が攻撃を仕掛けた直後。
つまり。
「この世界で再起不能になった魔法少女は、皆カードになるんです」
確信した瞳で、菜々は卯月を見た。
そう考えると、なにかと辻褄が合う。ツインデビルズが消えた理由も、カードと同一人物の魔法少女を見かけない理由も。
必然的に、それはもうひとつ別の意味を示すのだが、ここでは口にしない。今は関係ないものあるが、口に出すのははばかられたからだ。
菜々の言葉に目をまんまると開く千佳。彼女にだけは知られたくなかったが、状況が状況だけに仕方がなかった。
その考えが正しいとするなら、自分自身のカードを持っていた、目の前にいる卯月は歪そのものだ。
「卯月ちゃんは、こうしてカードになっています。だったら、あなたは誰なんですか?」
菜々が真っ直ぐに見つめる。卯月はしばらく菜々の視線に答えるように見つめ返していたが、やがて、その細い肩を露骨に上げた。
観念した、ということなのだろう。
「意外に回復が速かったですね。不老不死は伊達じゃないってことですか。というより、さっさととどめを刺しておくべきでしたね、失敗でした」
卯月は、再びアイドルカードを取り出した。咄嗟に身構える菜々。だが、よくよく見てみると、そのカードには誰も写っていなかった。
灰色の人型らしき影が写っているだけの、ブランクカード。
卯月は、魔法の杖に、そのカードの端をスライドさせた。
『チェンジ』
杖から無機質な音声が聞こえると、卯月の姿が、まるで蜃気楼のようにボヤけ、卯月と背景の境界線が曖昧になる。
そして、水を弾くようなバシャッ! という音がすると、卯月の姿は弾け飛んだ。
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