過去ログ - 安部菜々、魔法少女になる。〜PROJECT G4〜
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51: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 22:56:41.88 ID:6BW4cku00

 その言葉に、菜々はうるっと来てしまう。散々追い掛け回されて精神的にも追い詰められていた菜々にとって、これ以上に嬉しい言葉はなかった。
 菜々が感動していると、ありすが自分の背中の方向を指差した。

「こっちです」
以下略



52: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/05/26(火) 22:57:38.96 ID:6BW4cku00

 菜々を押さえているのはありすだ。むしろ、その他には誰もいない。
 菜々の身長は、146センチ。いかにありすが小学生とはいえ、身長141センチと菜々の背に近い上に、魔法少女である彼女から菜々は逃げることが出来ない。

 千佳は、突然の出来事を、混乱するように見ていることしか出来なかった。
以下略



53: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 22:58:19.66 ID:6BW4cku00

 だが、尋ねずにはいられなかったのだ。菜々のことを、仲間と言ってくれたありすだからこそ。
 菜々の問に、ありすは淡々と答える。
 まるで悪びれもせず。ポーカーフェイスで。

以下略



54: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 22:59:18.07 ID:6BW4cku00

 その言葉に、卯月は固まった。
 硬直は一瞬。すぐに、卯月はいつもの彼女へと戻った。

「何言ってるんですか、島村卯月、17歳ですよ! ブイッ!」
以下略



55: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 23:00:22.01 ID:6BW4cku00

 卯月の代わりに立っていた彼女は、菜々の知る意外な人物だった。
 いや、むしろ同じ事務所に所属しているアイドルなら、知らない人などいない人だ。
 緑の制服のような衣装を身を包み、魔法少女化した服装にも関わらず、ご丁寧に胸にネーム入りバッチを付けている。後ろ髪は、全て三つ編みに結ばれ、それを肩から前に出していた。

以下略



56: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/05/26(火) 23:01:26.95 ID:6BW4cku00

 ちひろがパチンと指を鳴らすと、菜々のすぐ下の地面が大きく膨れ上がった。思わずジャンプしてその場から退く菜々。
 風船のように膨れた地面は、沢山の土を飛ばしながら弾けた。

 そこから現れたのは、カニ。卯月が連れ回していたカニだった。ただし、サイズが大きい。全長が軽く4メートルは超えている。
以下略



57: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 23:02:12.02 ID:6BW4cku00

 菜々は、『ザ・ウサミンワールド』を展開した。菜々以外の全ての時間が止まる。
 彼女は、ゆっくりとちひろに近づいた。ちひろは、のんきに焼け焦げた化けガニをニコニコとした表情で見ている。

 そんなちひろの目の前までやってきた。菜々は、慎重に手を伸ばした。
以下略



58: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/05/26(火) 23:03:04.68 ID:6BW4cku00

「ちなみに、私は今ここにいる4人と4人が所持しているアイドルカード以外の全てのカードを所持しています」

「……!?」

以下略



59: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/05/26(火) 23:03:45.41 ID:6BW4cku00

「そうです。菜々さんは永遠の17歳を願い、17歳そのものと捉えることが出来た。私は、アイドルになりたいと願えば、アイドルそのものと捉えることが出来た。つまり、千佳ちゃんは、『魔法少女そのもの』なんです。そうですね、千佳ちゃんが思ったものこそ魔法少女なんですよ。魔法少女の定義を決める魔法……とでも言いましょうか」

 本人は気付いてないんですけどねぇ、とちひろは半分呆れるように言っていた。
 魔法少女の定義を決める魔法。つまり、千佳が思い描く魔法少女像が、現実にいる彼女たちに影響をもたらすということだ。
以下略



60: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 23:04:30.50 ID:6BW4cku00

 ちひろは、劣化『極限まで頑張る魔法』で避ける。その時、劣化『ザ・ウサミングワールド』も使用していた。
 そのため、菜々は懐への侵入を許している。

 チョンっと、ちひろは菜々のお腹を人差し指で突いた。
以下略



61: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 23:05:16.05 ID:6BW4cku00

 風が巻き起こり、砂を巻き上げる。
 爆発の中心は、大きなクレーターが出来ていた。
 爆発の衝撃波は、円を描くように放たれ、近くの建物を粉々に吹き飛ばす。

以下略



62: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/05/26(火) 23:06:20.13 ID:6BW4cku00

 そう、爆発を直接喰らってはいない。
 爆発の直後、『ザ・ウサミンワールド』を発動さえ、時を止めて、少し離れた位置の地面に穴を開けて、そこに隠れたのだ。
 土を操るのは、魔法少女の標準装備の魔法だ。

以下略



63: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 23:07:09.14 ID:6BW4cku00

 まるで隕石が衝突したような衝撃で、地面に大きな穴を開けた。弾けた砂が天まで舞い上がる。

 さっきよりも大きな地響きがする。
 舞い上がった砂が雨のように降り注ぎ始めた。
以下略



64: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 23:07:52.66 ID:6BW4cku00

「本当のこと……?」

「えぇ。菜々さんは気付いてなかったかもしれませんが、そのドレスドライバーは、効率よく魔力を運用するための装置なんかではありません」

以下略



65: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/05/26(火) 23:08:52.40 ID:6BW4cku00

 ちひろが、素っ頓狂な声を上げた。
 は? え? と困惑した顔で千佳の顔を見ていた。

「ち、千佳ちゃん? 魔法少女は魔女になっちゃうんですよ?」
以下略



66: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 23:09:38.57 ID:6BW4cku00

「晶葉ちゃんに作ってもらったものです。もっとも、『魔法少女が人間に戻るという概念』が存在しないと、ただカードを魔法少女に戻すだけの杖なんですけどね。概念があって初めて、カードからの変換時に魔法少女という成分を取り除くんだそうです。私は原理はよく分かっていないんですけど」

 一体どうやって作ったのか甚だ疑問だったが、そこは池袋晶葉大先生の力を信じるしかない。
 そこで菜々は気付いた。
以下略



67: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 23:10:20.72 ID:6BW4cku00

「これで、一段落ですね」

「えぇ」

以下略



68: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 23:11:11.04 ID:6BW4cku00

 今にも魔女化しそうなちひろの前に、菜々が立ち塞がった。
 ちひろは力なくその小さな背中を見た。
 菜々は、プロデューサーの前に、堂々と胸を張って立っている。

以下略



69: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/05/26(火) 23:12:13.66 ID:6BW4cku00


――*――*――*――


以下略



70: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/05/26(火) 23:12:39.34 ID:6BW4cku00

終わりです。お付き合い頂きありがとうございます。


【次回、嘘予告!】
以下略



71:名無しNIPPER[sage]
2015/05/26(火) 23:44:22.91 ID:p0PpLQID0
大作乙でした
シリアルなのにネタ多かったな!?


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