過去ログ - 安部菜々、魔法少女になる。〜PROJECT G4〜
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9: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 22:17:48.64 ID:6BW4cku00
 瑞々しく張りのある肌。顔全体も、引き締まっているような気がする。小ジワなど、あるはずもない。
 これなら、カメラに向かってドアップで映っても大丈夫そうだった。

「……ワカガエッタ? 菜々ちゃんって元々17歳だったよね?」

 千佳が、菜々の言葉にキョトンとする。子供は時に残酷で容赦がない。
 数秒間、時間の止まる事務室。

「……………………千佳ちゃん! これから同じ魔法少女としてよろしく!!」

「え、う……うん!! よろしくね、菜々ちゃん!!」

 菜々が手を差し出すと、千佳はそれに飛びつくように手を握り返してきた。仲間が増えたことを、その満面の笑みで表している。
 菜々の失言は、もう千佳の頭には残っていなかった。

(計画通りです)

 菜々は、千佳に見えない所で影のある笑みを浮かべる。子供は実に単純だと思った。
 しかし、本当に永遠の17歳となった今、別に隠す必要もないのだが、そこは菜々の気分だ。

「菜々さん、これを」

 いつの間にか人型に戻ったプロデューサーが、菜々に何かを渡す。
 それは、小さくて綺麗な、卵型の宝石のようなものだ。
 その宝石の下部は、金属の器のようなもので覆われていた。

「これは?」

「シンデレラジェムです」

「シンデレラジェム……」

「魔法少女の源となるモノです。これに意識を集中させることで、魔法少女へと変身出来ます」

「な、なるほど」

 魔法少女になってしまったのだなぁと、それを受け取った菜々は思ってしまう。前回は自分の意志だったが、今回はなんだかとことん流れるままになっている気がしないでもない。
 菜々は、シンデレラジェムを目の高さまで持ち上げる。キラキラとしていて、本当に綺麗だと思った。

「菜々さんの魂を固めて作ったものなので、大事に扱ってください。なくすのも、厳禁です」

「分かりました。へぇ、ナナの魂をですか……魂を……うん? たま、シイ……?」

 思考停止。
 17歳に若返った……んんっ!! 元々17歳で不老不死を手に入れた菜々は、プロデューサーの言葉を思い出しながら、そっと声にしてなぞる。
 ――ナナノ タマシイヲ カタメテ ツクッタ。
 何度もそれを繰り返し、ようやくその言葉の意味を理解した。


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