13:1 ◆oNDhRi.Qoo
2015/05/27(水) 03:16:11.50 ID:onT9fHc40
自慢気に長広舌をふるう剣士が、手に持つ木の枝の先をを、俺に向ける。
「勇者は、いつか来るかもしれない魔王の魔の手に怯えて生き長らえるか?」
「……それとこれとは、話が違うんじゃないか?」
「そう言うな、似たようなもんだろ。とにかく、俺はお前はそんな目の前の問題に逃げ続ける野郎じゃないと見込んでる」
「それは、俺が勇者だから、か?」
「何か問題が?」
全く、本当に、この男には敵わない。
俺は剣士の突きつけた木の枝の先を掴んで、木の枝をへし折る。
パキッと、乾いた音をさせて手に掴んだ木の枝を、火の中に落とした。
「なんの問題も無いな」
「だろ?」
俺の返事に満足気な顔を浮かべて、剣士も手に残った枝を火に落とす。
そして、俺たちは立ち上がり、ガッシリと握手を交わした。
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