過去ログ - 艦隊これくしょん 〜艦これ〜 Bright:金剛
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◆li7/Wegg1c
[saga]
2015/06/27(土) 00:30:13.96 ID:qAe6cnL50
「祥鳳さん。お姉様の言うこと、簡単に受け入れられないのも分かります。ちょっと変なところもありますからね」
祥鳳は何も答えなかった。
結局、この子だって同じ。姉と同じように理想論を並べ立てるだけ。
「でもお姉様って、ああ見えてホントはすごく無理してるんです」
「そ、そうなの・・・? とてもそうは見えないけど・・・」
「元々あんなふうな喋り方はしなかったんです。それが、10年前のあの日から・・・」
10年前。深海棲艦大規模襲撃の日。多くの艦娘にとって悪夢が始まった瞬間だった。
「お姉様、私やみんなを勇気付けるためにあんな風に明るく振舞ってますけど、時折倒れそうに見えるんです。
だから、そんなお姉様をひとりぼっちにしないために・・・。私も艦娘になったんです」
「そうだったんですか」
祥鳳はいつの間にか比叡の言葉に耳を傾けていた。金剛にただ付き従うだけの妹だと思っていたが、その中にはきちんとした芯があったことにはじめて気付いた。
「祥鳳さん、こないだボロボロになって帰って来ましたよね? あの子達も、私と、ううん、祥鳳さんと同じなんですよ。きっと貴方が心配だから、自分たちも戦いたいんです」
「あの子達が・・・。私なんかを・・・?」
祥鳳は目を丸くした。そんな風に思われているとは微塵も思っていなかった。
「来たばかりの私にだって分かりますよ。あなたはみんなのことを大事に想う優しい人だって。
だから、あの子達も力になりたいんですよ。あなたにこれ以上、傷ついてほしくないから」
「そっ、そんなことはないです・・・」
赤面しながら祥鳳は返答した。
「そんなことあります」
「ないです」
「あります」
「ないです」
「あります」
やりとりを続けてたら漫才のようになってしまった。おかしくなって、二人は同時に吹き出してしまう。
「祥鳳さん。とりあえず、電ちゃん達の気持ちだけは、きちんと分かってあげてください・・・」
「比叡さん・・・」
そして、再び二人の間に沈黙が流れた。
比叡の言葉は、やや離れた場所にいた金剛にも届いていた。
「比叡・・・」
金剛の目もまた潤んでいた。
いつも着いて来てくれたあの子が、そんな風に思っていてくれたなんて・・・。
「やだ、泣きそうダヨ・・・!」
こんな恥ずかしい場面は比叡には見せられない。洗面所に行って顔を洗ってこよう。
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