155:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 23:11:09.66 ID:uHDFlxFs0
提督「……使ってないのか?」
そう言ったのは、携帯の画面には圏外と書かれているからだろう。
提督の言うとおり、僕はその携帯を使っていない。
「友人の形見です」
使われていない携帯の正体。それは戦争中、日本が攻撃を受けたときに殺された僕の親友の所有物だったものだ。
殺された彼を、そのときの憎しみを忘れない為にと、当時の僕は取っておいていた。
昔はそれはただの大切な友人の形見だった。今でも大切なことには変わりはない。
けれど、それを見るとどうしても、戦争中を、銃を持っていた時のことを思い出してしまう。
忌々しい、無くしてしまいたい記憶の欠片。けれども無くしたくない彼との思い出の品。
それがその携帯だった。
提督「……そうか」
そう言って、提督は彼の形見を握り締めた。
やさしく、慈しむように。
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