過去ログ - [艦これ]番頭さん
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327:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/19(月) 01:07:46.15 ID:+VboOMoR0


「提、督……」


呆然とした。

提督を庇うつもりが、結果僕の行動は、提督の気持ちを踏みにじることになってしまった。


鳳翔「提督!」

瑞鳳「番頭さん!」


瑞鳳さんと鳳翔さんが駆け寄ってくる。

それを見たのか提督は僕の襟首を放し、壇上に向かった。


瑞鳳「だ、大丈夫!?」

「ああ、なんともない、よ……それより」


壇上に上がった提督に視線を向ける。

提督は改めて艦娘達に向き直ると、頭を下げた。


提督「すまない。見苦しいところを見せた。聞いてのとおりだ。報告が遅くなったのは番頭が原因でもある」

  「だが、ここで言うと決めたのは俺だ。捕縛作戦を組み立てたのも俺だ。俺に責任はある」
 
  「……ここまでやっておいて皆に頼むのもおこがましいが……助けたいんだ。『モドキ』を。同胞を」

  「番頭も同じ思いだ。だから報告をせず、救う方法を探していた」

  「我侭なのはわかっている。だが……協力してくれないか。頼む」


そう言って、提督は深く頭を下げた。

それを見て僕の体が反射的に動く。


「お願いです。どうか、ご協力をお願いします。……助けたいんです。死なせたくないんです!殺させたくないんです!だから……お願いします!」


重い沈黙が辺りを包む。

駄目、なのか……。

諦めかけた瞬間、僕のすぐ横から拍手が聞こえてきた。

僕の隣にいたのは……言うまでもなく瑞鳳さんで。

やがて瑞鳳さんの拍手は鳳翔さん、摩耶ちゃん、矢矧さんと広がり、やがて、全員の拍手となった。


提督「皆……ありがとう」

「ありがとう……ございます」


提督とともに深く頭を下げる。

ありがたいことだ。本当に……本当に。


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