391:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 23:59:53.42 ID:/OAIt6ZO0
瑞鳳「ごめんね。呼び出しちゃって」
工廠の裏に着くと、前を歩いていた瑞鳳さんが振り向きざまにそう言った。
僕はいや、と首を振って答える。
それで僕たちの会話は途切れ、重い沈黙が僕たちを包む。
……気まずい。二人きりになって余計にそれが増している。
瑞鳳さんもそうなのか、僕に一向に目を合わせようとしない。
喧嘩のようなものをした後だ。僕が一方的に悪かったのだ。喧嘩とも呼べるのかも怪しいけど。
僕も瑞鳳さんもこうなってしまうのも仕方ない……か。
瑞鳳「……あの」
しばらくの間のあと、重たい沈黙を破り、瑞鳳さんが口を開いた。
気まずさに逸らしていた目を、彼女に戻す。
口を開いた彼女だったが、その顔には不安と怯えの色が濃く出ていた。
……また、そんな顔をさせてしまうのか。
そんな顔なんてさせたくないが、彼女が何を言いたいかわからない以上、僕からは何も言うことは出来ない。
彼女の言葉を待つことしか出来ないんだ。
さて、どんな言葉がくるのか。雰囲気から察して抑え目の注意か、それとも別離の宣言か。
どんな言葉だろうと僕は受け入れることしか出来ない。
僕は瑞鳳さんの言葉を諦めに似た気持ちで、じっと待った。
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