392:名無しNIPPER[saga]
2015/11/24(火) 00:00:52.57 ID:YWG0ckye0
瑞鳳「さっきは……ごめんなさい」
僕の予想に反して、瑞鳳さんの口から飛び出した言葉は謝罪だった。
もしかして取り乱したことを申し訳なく思っているんだろうか。……そんなこと思う必要、ないのに。
「いや、あれは僕の所為だよ。先に瑞鳳さんに言っていれば良かったんだ。だから……」
瑞鳳「ううん。番頭さんが言いたくないって気持ち、解ってたのに、それなのに私、自分の気持ちばっかりで……」
「……僕は瑞鳳さんに嘘を吐いたんだ。裏切ったんだよ。それに瑞鳳さんが怒ることは何もおかしくない」
瑞鳳「でも!……でもそれは全部仲間を助けるためでしょ?助けるために黙って、悩んで、嘘まで吐いて……それなのに私は番頭さんに、あんなこと……」
どうして瑞鳳さんはそこまで自分を悪者にしたがるんだろう。
黙ったのも、嘘を吐いたのも、全部僕の勝手だ。
僕を悪者にさえしてしまえば、僕なんかのことでここまで辛い思いをすることなんか無いのに。
……それなら、悪者と思わせてしまえばいい。
「瑞鳳さんはあの時、信用できないの、って聞いたよね」
僕の言葉に瑞鳳さんは小さく頷く。
これから続ける言葉は瑞鳳さんをもっと傷つけることになるだろう。
でも、これで僕のことを悪者だと思ってもらえば、僕から離れて貰えば、これから僕のことなんかで傷つくことはなくなる。
それが一番だと思う。だから、僕は。
「その通りだ。僕は、瑞鳳さんの事を信用していなかった」
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