487:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/20(水) 01:40:00.15 ID:hIGgmJpd0
矢矧「作戦通り敵の逃げ道は確保しておいて。逃げる敵は放置。今は那智、霧島両名の救出を優先としましょう」
矢矧の指令に部隊の艦娘たちは砲撃を再び開始する。
現在彼女の率いていた部隊は二手に分かれ、輸送艦より矢矧と瑞鳳のいる3時と8時方向より敵に攻撃を仕掛けていた。
作戦としては先の二方向から攻撃を仕掛け、敢えて9時〜2時までの方角に敵の逃げ道を作り、そこから敵を追い出すというもの。
それでも敵が残るようであれば、後続隊が到着次第、二手に分かれた部隊は10時から2時に展開し、挟撃を掛けて殲滅する。という二段構えの物であった。
矢矧は敵は撤退せず、二段構えの作戦が遂行されるだろうと考えていた。
なぜなら瑞鳳が先に出していた艦載機の偵察により、既に輸送艦を取り巻く状況を把握していた為だ。
棲姫が近海におらず、組織的な行動を取る、多すぎる敵。
彼女は自分たちが囮に誘き寄せられたと直感していた。
だがそれは誰にも伝えていない。囮だろうがなんだろうが、自分たちは仲間を救わなければならないし、恐らく先行した那智が既に提督に状況を報告し、彼はその対策しているだろうと予測していからだ。
今その情報は自分たちにとって不要なものだ。不要な情報は部隊に混乱を呼ぶ。
矢矧はただ、部隊に言葉を、敵に砲弾を放つ。
予想する鎮守府への奇襲の不安も感じていなかったし、目の前の仲間を掬う事が、今の自分にとって出来る最善だと信じていた。
鎮守府には自分たちの提督がいるのだから。
……ただ。
ただ、基地に残っている人間の友人の安否だけが、気に掛かっていた。
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