589:名無しNIPPER[sage saga]
2016/03/27(日) 16:27:54.41 ID:WpbE5Tq40
熊野『外見の判断だけによりますが、左腕損失、右腕複雑骨折、そして背中から首に掛けて大きく欠損しています。そして……息も、していません』
再びそうか、と重く息を吐く。
自分の想像通りの答えに彼は落胆せざるを得なかった。
彼は弥生に苦しみしか与えることが出来なかった。
孤独に日々を過ごさせ、親友との溝を作り、挙句、何も得させることすら出来ず、命を落とさせる。
自らの非力さ、罪悪感、そして彼女を失った悲しみに彼は固く拳を握りしめた。
戦争をしている以上、部下を失う事は当然のこと。だがそれを当然のこととして彼は受けれることが出来ない。
指揮官として失格なのは彼自身理解している。それでも自らの気持ちを切り捨てることが出来ないでいた。
熊野『……気を落とされないで』
無線越しに伝わる彼の感情に、熊野は穏やかに口を開いた。
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